PayPayには、ポイントを運用できる「PayPayポイント運用」というサービスがあります。
現金などで株などを購入して投資するのとは違い、ポイントを使って、投資の疑似体験ができます。
この記事では、PayPayポイント運用の概要や、どのタイミングで追加・引出を行えばよいかなど、運用のコツについて紹介します。
目次
PayPayポイント運用とは?
ポイントは「使う時までためておく」のが普通のポイントの使い方です。
ところが、その使わない期間を使って、ポイントを増やすことができるサービスがあります。
それが「PayPayポイント運用」です。
1)ポイント運用方法は?
PayPayポイントの運用方法は、「追加」と「引き出し」の2つを実行するだけです。
提供されている運用コースの中から、好きなコースを選んでポイントを追加し、増えたら引き出すだけです。
「追加」も「引き出し」も好きなタイミングでできます。
2)ポイント運用の注意点は?
PayPayポイント運用をはじめるにあたって、必ず覚えておかないといけないのが「元本割れのリスク」です。
つまり、ポイントを追加したタイミングによっては、ポイントが減少し、「追加した時のポイント総額を下回ってしまうこともある」ということです。
「元本割れ」しないようにするには、追加のタイミングが重要になります(後述)。
PayPayポイント運用の基本
運用のコツを説明する前に、PayPayポイント運用のやり方を紹介します。
1)コースを選ぶ
まずは、PayPayポイントを追加するコースを選びます。
コースは5つあります。
コース | 銘柄 | 内容 | 運用タイプ |
①金(ゴールド) | SPDR Gold Trust(GLD) | 金の価格に連動 | 長期運用 |
②テクノロジーコース | INVESCO QQQ TRUST, SERIES 1(QQQ) | ナスダック市場の代表的な100企業の株価指数に連動 | 短期運用 |
③スタンダードコース | SPDR S&P500 ETF | アメリカを代表する500企業の株価指数に連動 | 長期運用 |
④チャレンジコース | DIREXION S&P 500 3X(SPXL) | アメリカを代表する500企業の株価指数x3倍に連動 | 短期運用 |
⑤逆チャレンジコース | Direxion Daily S&P 500 Bear 3X (SPXS) | アメリカを代表する500企業の株価指数の反対方向x3倍に連動(空売りコース) | 短期運用 |
それぞれのコースは、特定の指標に沿って運用されています。指標となるのは上記表の「銘柄」です。Googleなどで検索するとその指数の値動きを確認できます。
①~④までのコースは、金の値段や企業の株価が上がると、PayPayポイント運用でも利益がでます。
一方⑤はその反対で、企業の株価が下がると利益がでるコースです。つまり、④の指数が上がっている時は⑤は損失、④の指数が下がっている時は⑤は利益がでています(空売り)。
なお、運用タイプも確認しておきましょう。値動きが大きいものは「短期運用」、値動きが小さいものは「長期運用」で見分けられます。
2)コースのチャートを調べる
コースを選ぶ時は、チャートと言われる値動きグラフを確認しましょう。
PayPayアプリでも確認できますが、さらに詳しく知りたい場合は、別のサービスを使う必要があります。
Googleファイナンスで類似銘柄を確認できる
PayPayポイント運用は、ポイントを追加するタイミングが重要なので、チャートは必ず確認しましょう。
3)ポイントを追加する方法
※PayPayアプリのバージョンによっては、紹介している画面と異なる場合があります。
PayPayポイント運用を利用する場合は、PayPayアプリを起動して、メニューから「ポイント運用」をタップ。
ポイント運用の画面が表示されたら「運用する」を選択。次に運用したいコースをタップ。
※ここでは「チャレンジコース」を選択しています。
ポイント追加画面が表示された時に、下記のメッセージが出ている場合は、ポイントの利用方法の変更が必要です。
現在の設定ではPayPayポイントを追加できません。追加するにはポイントの利用設定を変更してください。
変更する場合は、メッセージをタップ。
「支払うに使うへ変更する」と書かれたボタンをタップ。これでポイントを追加できます。
追加額に追加したいポイント額を入力して「追加する」ボタンをタップ。確認画面が表示されたら「追加する」ボタンをタップ。これで追加完了です。
※追加するポイントが100ポイント以下の時は手数料はかかりません。
4)運用にかかる手数料
PayPayポイント運用は、ポイント追加時に1%の手数料がかかります。例えば、1,000ポイント追加したら、手数料10ポイントが差し引かれた990ポイントで運用がスタートします。
手数料は、ポイント追加時の確認画面で確認可能です。
5)ポイントの利用設定を変更
ポイントを追加するために変更した、ポイントの利用方法(支払うに使う)は、下記の箇所で「ポイントをためる」に戻せます。
アプリ下部の「ウォレット」>「PayPayポイント」をタップすると変更画面が表示されます。
6)ポイントを引き出す方法
ポイント運用に追加したPayPayポイントは、好きな時に引き出せます。
ポイント運用画面の「運用状況」を選択。画面を下にスクロールし、ポイントを追加したコースをタップ。
「ポイントを引き出す(交換)」をタップすると引き出せます。
PayPayポイント運用のコツ
PayPayポイント運用のコツを紹介します。
ここで紹介したことを実践すれば、必ず利益がでるわけではありませんが、損する機会は減ります。なお、追加や引き出しのタイミングは、経験を積むことで精度が高くなります。
1)運用に使うPayPayポイントについて
すぐに使う予定があるPayPayポイントは、ポイント運用に追加しないようにしましょう。
ポイント運用では、マイナス(元本割れ)になる可能性もあるため、マイナスの状態でポイントが必要になると、損失を確定しないといけません(引き出さなければ、含み損のままです)。
そのため、余裕をもって運用できるポイントだけ追加しましょう。
2)おすすめコース
おすすめのコースは「スタンダードコース」または「チャレンジコース」です。これらのコースは、値動きが分かりやすく、追加や引き出すタイミングをとらえやすいからです。
なお、他のコースを選ぶ場合も、初めての人は「逆チャレンジコース」以外でスタートしましょう。「逆チャレンジコース」は、ポイントを追加するタイミングが難しく、下がる期間も短いため上級者向けです。空売りに慣れている人以外はおすすめしません。
3)ポイントを追加するタイミング
追加のタイミングは、一つの要素だけでは判断が難しいため、複数の要素で確認しましょう。
1)下がっていたトレンドが回復してきた時
ポイントを追加するタイミングは、下落トレンドから、上昇トレンドに変わった時です。
※トレンドとは、値動きの方向性を表す言葉。
下記画像のように、12/7近辺で一番低くなり、少しずつ回復しているタイミングをチェックして様子見しましょう。さらに下がることなく、上に向かっていれば、ポイントを追加するタイミングです。
2)RSIで「買われすぎ・売られすぎ」をチェック
「RSI」は、買われすぎ、売られすぎが分かる指標です。
RSI | RSIの示す状態 | 心理状態 | 今後起こる現象 |
70~80近辺 | 買われすぎ | 買われすぎているため、そろそろ売って利益を確定しよう | 売られる(下がる) |
20~30近辺 | 売られすぎ | 売られすぎているため、そろそろ買い戻そう | 買われる(上がる) |
RSIが「売られすぎ(20~30近辺)」の時が、ポイントを追加するタイミングになります。ただし、RSIだけでは、追加タイミングを見誤ることがあるので、トレンドやニュースなど、他の情報も必ず確認しましょう。
なお、「RSI」は他のサービスを利用しないと確認できません(PayPayポイント運用では確認できません)。
無料版の「TradingView(チャート)」を使えば、ログイン後にインジケーターから「RSI」を追加して確認できます。
まず、自分が確認したいコース記号に変更します。コース記号は「コースを選ぶ」の銘柄列を参考にしてください。
ローソク足チャートの下に表示されるグラフがRSIです。下図を見れば分かる通り、RSIが70をこえると下がり始め、30を下回ると上がり始めます。
RSIのインジケーターを利用するにはログインが必要です(GoogleアカウントやTwitterアカウントを使って簡単にログインできます)。
ログイン後、メニューにある「インジケーター」をクリックし、「RSI」と入力して検索します。結果から「RSI(相対力指標)」を選択して追加しましょう。
3)ニュースをチェック
各コースの指標は、ニュースや経済指標で変動することがよくあります。
主要な「経済指標」は、マネックス証券が提供している経済指標カレンダーで確認できます。指標が発表される前後は、値動きに注意しましょう。
FOMCが出す声明にも注意が必要です。2022年はFOMCの利上げペースの発表で大きく変動しています。
4)ポイントを引き出すタイミング
追加するタイミングに慣れてくると、今度は引き出すタイミングが難しく感じます。
引き出すタイミングは、追加するタイミングで使った要素が逆を示す時です。複数の要素で下落トレンドを予想して、ポイントを引き出しましょう。
例えば、「チャートが右肩上がりだったのが急に下げ始めた」「RSIが買われすぎを指している」「ネガティブなニュースが多い」「大きな経済指標が軟調(または悪い)」という場合は、引き出すタイミングです。
PayPayポイント運用でマイナスになった場合
PayPayポイント運用では、ポイントを追加するタイミングによって、元本割れのリスクがあります。ポイント運用でマイナスになってしまった場合の対応方法を紹介します。
主に3つあります。
マイナスになってしまった場合の対応方法
- ポイントを引き出す
- 定期的にポイントを追加する
- 放置する
1)ポイントを引き出す
ポイントとはいえ、マイナスになると心が苦しくなる人もいると思います。そういう場合は、我慢せずに、はやめにポイントを引き出しましょう。
引き出したうえで、改めてポイントを追加する方が、心にゆとりができます。
2)定期的にポイントを追加する
長期的に運用ができるなら、マイナスになった時にPayPayポイントを追加するのも一つの方法です。
買い付け価格は、PayPayポイントを追加した時の価格となるため、元本割れしている時に追加すれば、平均取得単価を下げることができます(ドルコスト平均法)。
ただし、ポイントを追加した時よりも、さらに指標が下がってしまうと、損失を広げてしまうので注意が必要です。
3)放置する
「放置する」も有効な手段です。
短期期間で、ポイントを効率よく運用したいのであれば、放置をしていると運用効率が悪くなります(放置期間中はこのポイントを利用できないため)。
しかし、ポイント運用でそこまで運用効率性を求めないのであれば、戻ってくるまで待つことも一つの運用方法です。
「天井(指標が一番高いところ)」でポイントを追加していなければ、比較的早い段階で戻ってくる可能性があります。
PayPayポイント運用するためのポイントがない場合
PayPayポイント運用には、PayPayポイントが必要です。PayPayポイントを効率よく獲得できる方法を紹介します。
1)マイナポイントを使う
無料でPayPayポイントを獲得するなら、マイナポイントが一番簡単です。
マイナンバーカードを使って、最大20,000ポイントもらえます。
2)超PayPay祭を使う
超PayPay祭開催中は、PayPayポイントの還元率が高くなります。
Yahoo!ショッピングなどを利用すれば、ポイントがたまりやすくなります。
3)ebookjapanを使う
ebookjapanもPayPayポイントをためる時におすすめのサービスです。
毎週金曜日に開催している「コミックフライデー」を利用すれば、20~35%のPayPayポイント還元があります。
マンガのまとめ買いをする時に利用すると便利です。
4)LINEポイントを交換して使う
LINEポイントは手数料無料でPayPayポイントに交換できます。
LINEポイントをもっている場合におすすめです。
PayPayポイント運用まとめ:余裕をもって投資体験を!
以上、PayPayポイント運用について紹介しました。
- ①余裕ポイントでポイント運用する
- ②複数の要素を使ってポイントの追加・引き出しを決める
- ③PayPayポイント運用でマイナスになっても焦らず対応する
2カ月運用した結果
筆者が約2カ月間「チャレンジコース」で運用した結果は下記のとおり。
追加したPayPayポイントは「36,614ポイント」の1回。追加した直後は、元本割れもありましたが、一度も引き出さずに継続運用した結果+6,942(2022/12/13時点)に増やすことができました。最高で+10,443という時もありましたが、この時には引き出していません。
なお、PayPayポイント運用は、複利ではありません。引き出さないと利益が確定しないので、切りのいいところで引き出して利益を確定しましょう。
11月は比較的上がりやすいというアノマリーがありますが、それを過ぎ、年末ラリーに向けて売られると考え、12/16に全ポイントを引き出しました。結果は+3,741でした。
※掲載している情報や説明内容はあくまで参考としての情報提供で投資の推奨および勧誘を目的とするものではありません。