日本のギャンブル規制・カジノ法案から見る、TRONのコンプライアンス

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日本のギャンブル規制・カジノ法案から見る、TRONのコンプライアンス

TRON財団は3月29日”A Statement on the Promotion of TRON DApp in Japanese Market”と題された公式Mediumを投稿、日本進出へ向けての法律への準拠とギャンブルDappの開発・プロモーションを推奨しない声明を出しました。

TRONを推進するTRON財団が、各国のコンプライアンス遵守の下で、ブロックチェーンの成長の多様化と健全化を図ることは信頼性に未だ課題を突き付ける仮想通貨にとって歓迎する動きです。

ただし、TRONも分散アプリケーションプラットフォームとして、Webの非中央集権化をスローガンに掲げています。コミュニティへの介入にどれほどの強制力があるか、疑問もわいてきます。TRON財団がガバナンスとして強制力を見せることはスローガンに反し、TRONを支持推進する周辺コミュニティからの反発を招く事態も考えられるからです。

今回の宣言に対してTRONが今後、1大クラスタとなる可能性が高いギャンブル系Dappコミュニティとの合意形成を実現できるかは注目です。

日本は4つの公営ギャンブル以外は禁止

日本では4つの公営ギャンブルを除き、ギャンブル賭博はすべて禁止されています。厳密には宝くじやスポーツ振興のtotoなど富くじ的なものやパチンコのような景品交換的ものが例外的な法律下で許可されていますが、賭博法によりギャンブルは全てにおいて禁止の方向となっています。

【4つの公営ギャンブル】
農林水産省:競馬
経済産業省:競輪 オートレース
国土交通省:競艇

【その他、管轄、指導】
文化庁:スポーツ振興くじ(toto)
警察庁:パチンコ
日本郵便株式会社:お年玉付き年賀葉書

日本のギャンブル規制への変化、通称「カジノ法案」の動き

日本では近年、国際競争力の強化と経済活性化の政策として外国人観光客(インバウンド)をターゲットにした、「カジノを含む統合型リゾートに関する推進法案(基本法案)」が2016年に可決、2018年7月20日には「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案」が参院本会議を通過可決しています。
これは、テーマパーク内に限り条件付きでカジノ事業を認めることを盛り込んだ法案で、そのため通称「カジノ法案」と呼ばれています。

これらはIR地区を設定したリゾート内でのみに限定したカジノ施設を認める内容で、ギャンブルそのもの、インターネットを介したギャンブル、オンラインカジノ等には対応していません。そもそも特区構想に近く、全体としてのギャンブルを認める趣旨の法案ではありません。

概要として、当初は3カ所に限定したIR地区に各地区3%以内の敷地面積以内で1施設のみが認められる内容で、法案可決後の候補地選定のフェイズに入っており、IR申請予定の自治体による誘致合戦が繰り広げられています。

限られた敷地内でどのようなカジノ施設が提供されるかは未定のため、もしかしたら施設内からオンラインカジノ方式のゲームを楽しみ、その場で換金を受け付けてもらえるような提供方式もあるかもしれません。

オンラインカジノはグレー?その安易さがリスクに繋がっている

オンラインカジノは、現在の日本の賭博法に係る法律では厳密に違法とされた裁判例はほとんどありません。国外から合法に提供されるオンラインカジノに対応しきれる法律が含まれていないためです。

弁護士への相談においても、警察が起訴をしても裁判で係争するケースになるとどちらに転ぶかは起訴の内容次第と言われます。結果、争われずに決着することも多いためです。まだ実態としてオンラインカジノの違法性に関する議論は未成熟な状態です。

グレーはセーフと扱ったり、たった1例の過去の無罪判決を根拠に問題ないとした前提で話をする無責任なブログも多数見かけます。セーフだったとブログ投稿をした後に、捕まって起訴されていた事実があってもそれが投稿される事はまずありません。そもそもオンラインカジノ運営側によるステマブログも多くを占めています。

ネットカフェによるインカジ、裏カジノなど明らかに賭博法違反や、私的遊戯の範囲を越えたり換金性などの運営方式で違法が成立するケースもあり状況に左右されやすいので注意が必要です。

日本にカジノ誕生で日本のギャンブル規制への動きは起こるか

日本でのカジノ施設誕生とその影響による議論が現在もされていますが、カジノ開業後にその答え合わせとなる議論も巻き起こることは予想できます。2020年の東京オリンピックにはカジノ開業第一号は間に合いませんが、外国人観光客だけでなく、就業目的の訪日外国人労働者の受け入れ拡大と、国内のギャンブル依存症の増加懸念、治安の悪化などのクロスボーダーな話題が現実問題として盛り上がって来る状況で、ほぼ同じクロスボーダーで、同一線上の時間軸で進んでいる仮想通貨・ブロックチェーン・Dappの成熟も今後5年で一定の成果に辿り着いている事が考えらえます。

今回のTRONのコンプライアンス順守の声明が、日本のギャンブル規制に直接影響することはありませんが、TRONと“BitTorrentの知名度の高さ”から数年後のあるていどの潮流に一石を投じる動きである事には期待が寄せられます。

もしかしたら、カジノの開業が何らかの成果を出す一方で、オンラインカジノに話題が飛び火することも十分に考えられます。もし、IR型カジノとの相互影響からオンラインカジノが台頭する可能性は高いからです。そして、規制しようとする議論が出た場合、その時のプラットフォーマーや開発者およびDappsのコンプライアンスの実態により政府側の検討レベルが「免許制を前提とした規制」で進むか「禁止」へ傾くかの大きな違いに出てきます。

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