7月14日2時34分頃、WhaleAlertがテザーの発行をツイートしました。
ツイートには、USDTとしか書かれていないので、どのネットワークなのか分かりにくいのですが、今回は、ERC20ベースの発行ではなく、TRC20ベース(トロンネットワーク)のUSDT発行でした。
発行額は、50億ドル(約5,400億円)で、直近のERC20ベースのUSDTが1億ドルだったのに対して、50倍ものテザーが発行されたことになります。この発行に伴いビットコイン価格も一時的に反応して上昇しました。しかし、この金額は、テザーがいままで発行した合計金額40億ドル(OMNI、ERC20、TRON、EOS)を上回る発行額となるため裏付け資産がどこから来たものなのか疑問視する声があがりました。
そして、事実、BitfinexのCTO、Paolo Ardoino氏が、この発行について、
OMNIベースのUSDTからトロンへのスワップを準備中に、トークンの小数点部分に問題があった
とツイートし、テザーは該当のテザートークンを5億ドル、45億ドルの2回に分けてバーンしました。
しかし、50億ドルものUSDTがなぜ発行できてしまったのかについては疑問が残る結果となってしまいました。通常は、相当額の米ドルを担保にテザーが発行されます。しかし、担保がなくてもテザーは発行できるということが明らかになったと言えます。
どこの処理なのかは定かではありませんが、少なくともスワップ時には不正発行が可能だったと言え、今までの裏付け資産による発行が嘘だったのではないかという部分において、さらに疑念を高める結果となってしまいました。
Ardoino氏は、再度下記のようなツイートを行っています。
残念ながら、私たちは複数のチェーンにまたがって異なるツールチェーンを使用しなければならず、時々問題が起きます。私達は、これが将来起こるのを防ぐために働いています。
ビットコイン価格にも少なからず影響を与えることから、再発防止は急務と言え、既存のテザー問題においても真相解明が待たれます。