テザーは法定通貨である米ドル(USD)とほぼ連動した価値を持つ仮想通貨(略号はUSDT(USD Tether))です。1USDT=1USDの価値があり、常に価値が固定されていることからステーブルコインとも呼ばれています。その性質上、投機対象というよりも仮想通貨売買における基軸通貨のひとつとして扱われていることもあります。
異質の仮想通貨テザーの特徴
1. 中央集権型の仮想通貨
香港に拠点を置くTether Limited社が法定通貨の管理とテザーの発行を行っています。非中央集権が当たり前の仮想通貨の中で、中央管理者が存在するテザーは異質の存在と言えます。
2. Proof of Reserves
テザーは、プルーフ・オブ・リザーブというシステムによって新規発行されます。ユーザーがTether Limited社の銀行口座に法定通貨を入金すると、同額のテザーが発行されます。逆に、Tether Limited社の銀行口座からユーザーが法定通貨を引き出すと、その分のテザーが消失されるという仕組みです。発行するテザーと同量の法定通貨を保有することにより価格が固定されています。資産の裏付けの元で発行されるため、通貨としての信頼も生まれています。
3. 大きな価格変動がない
仮想通貨に対するネガティブなニュースが流れると、仮想通貨相場は全体的に下落する傾向がありますが、テザーはそうした状況下でも1USDT=1USDの価値を維持し続けます。逆にポジティブなニュースの影響で相場が全体的に上昇しているような場合でもテザーの価格はやはり1USDT=1USDの価値を保ちます。仮想通貨相場の乱高下に左右されず、価格がほぼ一定で大きな価格変動がないことがテザーの最たる特徴です。
テザーのメリット
テザーは仮想通貨相場の影響を受けず大幅な価格変動がないため、送金や決済の手段としての実用性を備えています。しかも法定通貨よりも速く安く実行できます。今ではテザーと取引可能な通貨ペアを用意している仮想通貨取引所は世界中に多数存在しています。
テザーのデメリット
Tether Limited社という中央管理者が運営しているが故に、そのTether Limited社が破綻したり、ハッキングを受けたり、社内で不正があったり、いわゆるカウンターパーティーリスクの可能性が常に懸念事項として存在します。カウンターパーティーリスクが発生した場合、テザーはその価値を失い、最悪預けた資金が一切戻ってこないということも起こり得ます。
テザー疑惑
テザーを語る上で触れておかなければならないテーマがあります。通称「テザー疑惑」。未だのその疑惑はきちんと解明されておらず、曖昧なままです。
【疑惑その壱】準備金は本当に存在するのか?
Tether Limited社が管理する口座には、発行されているテザーと同額の法定通貨が準備金として保管されていることになっています。ところが、これを裏付ける確たる証拠がありません。その上、2017年4月には取引関係にあった台湾の銀行との関係を解消したり、2018年1月には監査法人との関係を取消したり、こうした動きによって疑念はますます高まっています。
【疑惑その弐】価格操作しているのではないか?
Tether Limited社が新規Tetherを発行した2時間以内に、かなりの確率でビットコインの価格上昇が起こっているという分析レポートが公開されました。また、Tether Limited社と提携しているBitfinex社のウォレットに着金した2時間後にビットコインの価格上昇が起こっていることから、Tether Limited社とBitfinex社の間には癒着があるのではないかと疑いの目が向けられています。
テザーニュース
2018年8月、Tether Limited社は、新たに5000万ドル相当のUSDTトークンを発行しました。
テザーの今後についての考察はこちら。
基本情報
ジェネシス日 | 2014/10/06 |
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ブロックタイム | ─ |
発行上限 | なし |
ハッシュアルゴリズム | ─ |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Reserves |
ホームページ | https://tether.to/ |
ホワイトペーパー | https://tether.to/wp-content/uploads/2016/06/TetherWhitePaper.pdf | 取引所 | OKEx、Bitforex、Binance、Huobi、Iquant、CoinBene、Bitfinex、ZB.COM、CoinEx、HitBTC、OOOBTC、DigiFinex 他多数 |