タクシー運賃と仮想通貨、いくらになるかわからないものへの恐怖

目的地に到着するまで不明確だったタクシー運賃が、ルール見直しによって今後は事前に料金が確定するようになるという。

現状タクシー運賃は初乗り運賃に距離と時間で料金が加算されていく。距離の方はある程度は把握できるものの、時間の方は一筋縄ではいかない場合がある。渋滞や信号待ちなどで停車している間にも一定時間ごとに料金は加算されていく。これが実に厄介で、何かとても損をしているような気分になるのだ。目的地直前で信号に捕まったときなどは最悪だ。「信号待ちなどせずここで降りてしまえばよかった」と後悔した経験がある方も多いのではないだろうか。

事前確定のルールがこの時間に対してどう見積もるのかはわからないが、現代のテクノロジーを持ってすれば渋滞情報や信号の数などを含めしっかり計算してくれるのであろう。ただし、くれぐれも現状の料金より結果的に料金が高くなるようなことだけは止めていただきたい。兎にも角にもタクシー料金が今後事前に料金がわかるようになることで、人生の中で起こり得たひとつの不安が消滅するのだから何とも喜ばしい。

そもそもこのタクシー運賃に対する不安の根源は何なのか。人間は先の見えないものに対して恐怖を抱く。つまりいくらになるかわからないから怖いのである。

いくらになるかわからないと言えば、仮想通貨も他人事ではない。自分が所有している仮想通貨の価格が下落傾向にあるときもまた怖れを感じる。一体どこまで下がってしまうのか、と。どこまで下がるかが事前に確定していれば不安も解消されるが、仮想通貨の場合はそうはいかない。あっさり下げ止まるときもあれば、止めどなく下がっていくときもある。唯一事前にわかっているのは、どんなに下がっても「0」以下にはならないということだけだ。ん?最悪のケースは事前に把握できているではないか。にもかかわらず怖いと思うのはなぜなのか。

「0」になるということはすべてを失うということを意味する。すなわち仮想通貨の場合、いくらになるかわからないから怖いのではなく、すべてを失うかもしれないから怖いのである。ちなみにこれは現物取引の場合の話であって、レバレッジ取引の場合は「0」どころか「マイナス」になる可能性もある。下手をすれば多額の借金を背負うことにもなるため、そちらの恐怖はすべてを失う以上の恐怖となる。

タクシー運賃の不安はまもなく解消されるが、仮想通貨の不安は当分解消されそうもない。

Close Menu