2018年にされた仮想通貨に関する税金・税制改正の出来事を時系列でまとめ

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仮想通貨に関する税金・税制改正議論

仮想通貨の納税は2017年は雑所得でした。2018年も雑所得ということになり、FINTIDEでは仮想通貨の納税・確定申告の方法に関してまとめています。
それとは別に、ここでは実際に2018年に行われた、仮想通貨の税制に関する出来事・動きをまとめてみました。

2018年、仮想通貨の税制に関する代表的な出来事

仮想通貨の税制に関する、注目すべき出来事を、カレンダーにすると以下になります。

仮想通貨の総合課税と、株式投資の申告分離課税

ここで、仮想通貨と株式投資の税率と税制度の要点の違いを比較できるよう記載しておきましょう。

まず、株式投資の納税には、煩雑な納税を簡便化するための特定口座制度があります。

※特定口座の制度について
特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」があり、投資家がどちらかを選択できます。「源泉徴収あり」の場合、証券会社が年間の売買の通算をして、利益が出ていれば税金を源泉徴収(自動天引き)してくれ、投資家自身で確定申告をする必要がありません。
また「源泉徴収なし」の場合、年間の売買損益を証券会社が計算して、その結果を「年間取引報告書」として発行してくれます。それをもとに投資家自身で確定申告を行います。

仮想通貨の所得は、総合課税・雑所得扱いの累進課税

仮想通貨の税金は総合課税の雑所得に分類されます。総合課税は累進課税のため、所得に応じて195万円以下が15%(所得税5%、住民税10%)、4000万円以上で55%(所得税45%、住民税10%)が最大で課されます。
総合課税のため、特定口座「源泉徴収あり」はできません。
ただし、2018年度からは年間の売買損益を仮想通貨交換業者が計算して、その結果を「年間取引報告書」として発行してくれます。それをもとに投資家自身で確定申告を行います。

所得が多くなるほど売買益に対して多く課税され、損益通算もできないため、単年での高額の利益が出た場合と、別の単年で損失が膨らんだ場合の純損失の損失繰越による補填ができません。
給与所得への上積みとなるため、所得税率が30%以上の、株式投資の20%固定の分離課税に対し10%以上高い税率になる場合が多くあります。

株式投資の所得は、申告分離課税による固定税率

株式投資は、申告分離課税による固定税率が適用されます。売買益、配当利益どれに対しても、株式投資で得た所得に対して一律で税率20.315%(所得税15.315%、住民税5%)が課されます。
税申告の煩雑さの簡便化のため、特定口座の制度があります。
また、損益通算ができるため、翌年以降3年間にわたって損失を繰り越して利益が出たら相殺をする繰越控除ができます。ただし、損益通算や損失の繰り越しをする場合、確定申告をする必要があります。

 

仮想通貨の税制に関する議論はまだまだの状態

2018年の仮想通貨の税制に関する議論に関して、仮想通貨を取り扱う側が、株式投資と同じ「税率20%の申告分離課税」を要望する提言を行いました。
そして、政府側は脱税およびマネーロンダリングへの対策のため、仮想通貨交換業者による年間取引報告書の利用者への提出に対応する協議と税申告の簡便化を進める動きをしてきました。

ですが双方の協議の中で、「税率を株式投資と同じ20%の分離課税とするべきか?損失繰越を導入するか?」等については仮想通貨関係者と政府・行政とで大きく意見の相違が出ています。

仮想通貨取引に関する税金の話は、仮想通貨による損益が脱税などの資金隠し、マネロンの温床になり得る懸念から実は大分前からされています。さかのぼって探せば2010年とかから見つかります。2014年ごろまでは法定通貨に成り代わるシミュレーションとして、2014年ごろからは実売買益から、より身近な納税について話題が上るようになりました。2014年当時、総合課税(雑所得)は株式投資の分離課税に対して損が大きい事から、株式投資と同じく申告分離課税による課税方式が望まれ始めていました。

ただ損失の繰り越し「損益通算」については2018年の大暴落以降になって取り上げられるようになって来たことです。利益が出たから税率20%を望み、無秩序な投機的行動により損失が出たから損失繰越を求めてくる事に「仮想通貨に係りのない多くの国民の理解が得られるのか?」と政府側は違和感から慎重な姿勢を示しています。

双方のスタートアップの機会とイノベーションを大事にしたいという共通した発言とは裏腹に、2018年の全般に渡り植えつけられ続けたマイナスイメージが暗い影を落としています。
これを払拭し、株式投資と同じ課税制度に向かって動き始めるには、税制に関する議論が双方の納得が得られるよう、今後の仮想通貨市場における自主規制への取り組み等が、どれだけ信頼に足る結果を生み出せるかが求められていることを、このまとめを調査する過程で閲覧した各種答弁からは感じられました。

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