SWIFTがブロックチェーン企業R3と提携、リップルを挟んでの思惑が入り乱れる

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SWIFTがブロックチェーン企業R3と提携、リップルを挟んでの思惑が入り乱れる

1月30日、SWIFTが米国のブロックチェーン企業「R3」社と提携、SWIFTの決済システム「GPI(グローバル・ペイメント・イノベーション)」へ、R3社のグローバル決済アプリ「Corda Settler」を統合することを発表しました。

R3社の「Corda Settler」は、2018年12月にリップル社のXRPを同アプリにおける決済手段として連携するとし話題になった事からSWIFTとリップル社との関係が何かしら進むのではないかと注目を集めています。また、日本国内でもSBIホールディングスがR3社との提携でXRPを強く推し進めているなど話題になりました。

SWIFTはR3との提携でXRPの利用が拡がるのを抑え込みたい思惑か?

しかし、市場は今回のSWIFTとR3の提携を好感しつつも、SWIFTの最高マーケティング責任者(CMO)であるLuc Meurant氏が「DLT技術を活用した取引は始まっているが、暗号通貨による決済需要は未だにほとんどなく、GPI(法定通貨)による迅速で安全性がある決済が求められている」と発言したことを受け、XRPをすぐに利用する可能性は低いとする見方が主流です。むしろ当面は、XRPの利用拡大に手を打つ思惑による接触である事が窺えます。

事実、SWIFTとR3との提携発表後にXRPの価格が一時上昇、BTC他の価格を牽引するも、SWIFT側にXRPの利用意図が薄い観測が広がるにつれ、上値に重しが掛かり利益確定売りに押され上昇前の下げ相場水準へ引き戻される結果に落ち着いているなど、マーケットは上値をブレイクできるほどの好反応を見せてはいません。

ただ、SWIFTは2016年よりDLT・ブロックチェーン開発へ取り組む姿勢は見せていましたが、R3による「Corda Settler」との提携に踏み出したことで、DLTを活用した国際送金システムの改革に重い腰を上げた事は十分に窺えます。最終的に、SWIFTとXRPの距離が縮まるのか、GPIとの統合を推し進めてSWIFT型DLTによる法定通貨の国際送金システム改善に成功するかはまだ判りませんが、マーケットの発展を促す投資材料・競争原理から鑑みれば、選択肢が好感できる形で大きく広がったことは間違いありません。

SBIホールディングスは決算説明会で、R3社のCordaとXRPのユースケースの拡大に向けた取り組み本格化を打ち出す

同じく1月30日に行われたSBIホールディングスの「2019年3月期 第3四半期 決算説明会」で北尾吉孝CEOは、XRPによる決済を介してMONEY TAPの利用拡大を推し進め、米R3社との合弁会社設立など、米R3社のCordaを使った金融サービスと米リップル社のXRPのユースケースの拡大に向けた取り組みを本格化すると説明しています。

米R3社のCordaを使った金融サービスと米リップル社のXRPのユースケースの拡大に向けた取り組みを本格化
①米R3社との合弁会社設立
②Sコインプラットフォームの活用拡大
③カードコンソーシアムにおける不正取引情報の共有
(引用:SBI決算説明会資料、P134より)

しかし、SBIホールディングスの基本戦略として、「業務の多角化が外部環境に左右されにくい持続的な事業成長」を支えるとしており、話題にされやすいXRPへの注力以外にも、様々なDLT・ブロックチェーン方面を含め、法定通貨決済システムへの投資をしている事は強く認識しておく必要があります。

R3社は今後どう動くのか?

今回の提携で気になるのは、今後のR3社の動きですが、非常に単純な話で決済アプリプラットフォームとして外部連携先となる対応通貨の範囲を広げているだけと言えます。XRPの利用が拡大してもGPIによる標準化が進んでも同じように対応を広げれば会社の事業戦略上のリスクマネージメントになっている結果にすぎません。もしかしたら、いずれどこかの陣営による買収騒動もあるかもしれませんが、それも視野に含めていると考えるのが妥当な見方です。

[参考]
・SWIFT:SWIFT to bring benefits of gpi to DLT and trade ecosystems
SBIホールディングス:2019年3月期 第3四半期 決算説明会

関連ワード:R3SBISWIFTリップル
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