Stronghold USD、ペッグ通貨とテザーの今後

2018年7月17日、米IBMブロックチェーンブログよりステーブルコイン(価値の安定したコイン)についての発表があり、その中で米ドルに価格固定した通貨であるStronghold USDを実験中という報告がありました。

 


米IBMブロックチェーンブログより)

 

仮想通貨の話題は多いのに、いっこうに決済として人々の生活に溶け込んでいかない大きな理由の一つに仮想通貨の価格の不安定さがあります。1万円の価値と思って買い物をしようと思ったのにいざ使うときは5000円分しか買えなかった。そんな通貨では誰も使いません。

ブログの中では価格変動の他にも既存の仮想通貨が一般社会で使われない理由として、マイニングの手法が大規模な市場には向かないこと、マネーロンダリングなど犯罪防止を管理できないこと、金融界に適応するための意思決定が反映できないことなどを挙げています。

 

そういった現在の仮想通貨が抱える問題を解決すべく、日本国内でも大手銀行をはじめ様々なプロジェクトが1円=1コインとして使えるペッグ(固定された)通貨を模索しているわけです。実験と称して発行され価格変動問題に特化したZen(ZenCach)コイン、価格だけではなくすべての問題に対し様々な実験を繰り返すMUFGコインなどです。

発表から2年経過したMUFGコインは発行されればとてつもない取引量になることが想像できます。IBM同様に価格固定はもちろん規模の問題、犯罪防止などにも取り組んでいることが予想できます。

日本のステーブルコインの状況はさておき、米ドルに関してはすでに固定価格の通貨として非常に出回っているコインがあります。今年はじめに様々な疑惑が持ち上がったあのテザー(Tether)です。テザー登場以前にも価格固定通貨としての特徴を持つコインがいくつもありましたが、1USD=1テザーコインとして発行、そして買取を実際に行うことで価格の安定した通貨として普及しました。

 

 

2018年6月現在、2800億円分のテザーコインが発行されています。テザー疑惑に関しては半年前の疑惑記事にお任せしますが、「USDを額面通り保管していない?」「仮想通貨価格操作?」「ドルはアメリカ国内ではなく国外に保管?」「特定の取引所と癒着?」など様々な疑惑があるにも関わらず、この量のコインが発行されているわけです。

もっとも信用が必要なわりに複数の疑惑があるコインがこれほど資産退避先として使われているということは、いかに他の仮想通貨の価格乱高下が激しく価格が固定された通貨が必要不可欠だということを物語っています。

非常に信用性が大事な価格固定通貨、将来の成長のために保有している人は皆無で利益確定用、一時保管用途に使っている場合がほとんどです。すでに多くのコインが出回っているにせよ「疑惑の多いテザー」対「IBMも実験に参加するStronghold USD」の争いはすでに決着がついたようなもの。今まだ発行されていませんが、Stronghold USDが正式に発行された場合、テザーのさまざまな疑惑が表面化しないことを祈るばかりです。

今後仮想通貨が一般的に流通するのは様々な問題を解決するステーブルコインの覇権争いにかかっているとも言えます。日本円に価格固定されたコインはどのようになるのでしょうか。今後もステーブルコインの覇権争いを定期的にお伝えしたいと思います。

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