先日買収したSTEEMIT社に関連してジャスティン・サン氏が勝利宣言、何が起こっているのか?

3月3日の13時頃、トロン(TRON)を率いているジャスティン・サン(Justin Sun)氏が「STEEM has successfully defeated the hackers(STEEMネットワークはハッカーを負かした)」と勝利宣言を行った。

ハッカーとして名指ししているのは、これまでSTEEMネットワークを守り続けてきた21ヵ所のブロック委任者(DPOSではWitness)のことだ。

STEEMはダニエル・ラリマー(Daniel Larimer)氏が開発したブロックチェーンネットワーク。同じく同氏が開発したBitSharesやEOS同様、DPOSというコンセンサスアルゴリズムを採用しており、投票により選出された少数のwitnessと呼ばれるブロック生成者が、根幹であるブロックチェーンネットワークを管理している。

トロンは2月14日、STEEMとソーシャルメディアSteemitを開発するSteemit社を買収することを発表したが、今回発信されたのはこれまでSTEEMを守ってきたブロック委任者と、買収したジャスティン・サン氏が戦いその結果サン氏が勝利宣言を行うというものだった。

いったい何があったのだろうか?このトラブルの経緯に仮想通貨ユーザーの間では大きな論争に発展している。

ジャスティン・サン氏の投稿
2月22日、悪意のあるハッカーはSteemit社が合法的に所有していた6,500万のSTEEMを凍結しました。私たちが気が付いた時にはすでにSTEEMはハイジャックされており、既存のSTEEMを無効にすると脅され、難しい選択に迫られました。

弁護士に確認したところ犯罪行為であることが確認でき、STEEM保有者すべてが危険にさらされていたため行動に移す必要がありました。これは短時間STEEMネットワークを占拠する必要があるため非常に繊細なプロセスでしたが、選択の余地がありませんでした。

悪意のあるハッカーがSTEEMネットワークを妨害できなくなったことが確認できたら、投票権をコミュニティに返却します。協力してくれた取引所の投票権もまもなく返却されます。STEEMを救うのを助けてくれたすべての仮想通貨取引所に、大声で感謝したいです。@cz_binance、@binance、@HuobiGlobal、@Poloniex

ハッカーの報復を避けネットワークを取り戻すために、隠密に行動せざるを得ませんでした。ただ、透明性が最優先事項であるため、ネットワークの保護が確認された直後に詳細を共有しました。(https://steemit.com/tron/@steemitblog/an-open-letter-to-the-community-hf22-5

「敵対的買収を成功させるために取引所と共謀した」というような間違ったコメントがありますが、これは誤解です。今回の件に関係したすべての投票権は返却されます。私たちの意図はネットワークをコントロールすることではなく、すべての人が受ける利益を悪意あるハッカーから保護したかったのです。

なぜ対立したのか

もともとSteemit社が保有していたトークンはこれまで投票に参加してなく、あくまでコミュニティに配布したトークンでしか投票が行われていなかった。これはSTEEMという分散型ネットワークを、開発陣が参加することなくユーザー主体で維持する上で基本事項ともなっていた。

しかし、2月にトロン財団がSteemit社を買収した際に発表されたのは、STEEMは今後トロンネットワークに統合しネットワーク上で構築されたアプリはトロンへ移行する、という趣旨のものだった。

このためSTEEMネットワークを維持しているブロック委任者(Witness)が反発し、Steemit社が保有していたアカウントにある投票権を無効にするソフトフォーク(アップデート)を2月22日に実行した。これがジャスティン・サン氏が言うところの「ハッカーによるSTEEMネットワークのハイジャック」である。

奪還にユーザーが預けるSTEEMを利用した

ジャスティン・サン氏が率いるトロン財団の買収が成立しているため、Steemit社が所有する権利についてはトロン財団が利用するのは当然だが、もう一つ大きな論争になっている点がある。それは主要取引所に預けられているSTEEM投票権を使ったと報告されている点だ。

ジャスティン・サン氏は主要の取引所が持つSTEEM投票権を用い、短期間STEEMネットワークを占拠して既存のブロック委任者を解任し、ネットワークを保護したと主張している。

ツイッターで挙げられているのは、バイナンス(ユーザー意見を参考に投票権は使われず)や、フォビ、ポロニエックスといった取引所で、投資家ユーザーが所有するSTEEM投票権が使われている点が論争の的になっている。(3月4日追記:フォビも投票権を使わないと公式発表

何かと話題の多いジャスティン・サン氏。中央集権を極端に嫌う仮想通貨ファンも多いだけに、今回の騒動に関する論争はなかなか尽きそうにない。

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