仮想通貨ETPが続々と登場するスイス証券取引所(SIX)とは?|SIX Digital Exchange(SDX)も解説

スイス最大の証券取引所であるスイス証券取引所(SIX)は現在すでに多く仮想通貨ETPを取り扱っており、将来はすべての証券をデジタルトークン化する未来を予想している。米国ではいまだに上場投資商品が米証券取引委員会(SEC)により承認されない中、すでに5つのETPを上場しているスイス証券取引所と今後の展開について解説する。

ETPとは
Exchange Traded Productsの略で上場され取引し易く設計された金融商品のこと。上場投資信託であるETFや、上場投資証券であるETNなどのことを含めて総じてETPと呼ぶ。

世界最大のニューヨーク証券取引所を擁するインターコンチネンタルエクスチェンジ(ICE)も仮想通貨専門のBakktを立ち上げるなど、既存の取引所は仮想通貨取引所への取り組みが相次いでいるが、その中でもスイス証券取引所(SIX)はその先頭に立っていると言える。

昨年11月には世界初となる仮想通貨のみで構成された上場投資商品(ETP)が上場し、先日6月26日にはBitwise Asset Managementとの提携により新たなETPが追加されることが発表された。これでスイス証券取引所に上場するETPの種類は5種となった。

Bitwise Asset Managementは米国でもビットコインETF(上場投資信託)の実現へ向け、米証券取引委員会(SEC)に申請している資産運用企業。

スイス証券取引所(SIX)に上場する仮想通貨関連のETPはスイスの仮想通貨スタートアップ企業Amun AG社が提供しており、その詳細は以下となっている。

現在スイス証券取引所(SIX)で取り扱われているETP

Amun Crypto Basket Index(名称:HODL)
 昨年初めて実現した仮想通貨ETP。ビットコイン、イーサリアム、XRP、ビットコインキャッシュ、ライトコインに連動している。

Amun Bitcoin ETP(名称:ABTC)
 ビットコインに連動したETP

Amun Ethereum ETP(名称:AETH)
 イーサリアムに連動したETP

Amun Ripple XRP ETP(名称:AXRP)
 リップル社のXRPに連動したETP

Amun Bitwise Select 10 Large Cap Crypto Index ETP (名称:KEYS)
 ビットワイズ社と提携し実現したETPで6月26日に発表された。最大10通貨に連動したETPとなっており、開始当初はビットコイン、イーサリアム、XRP、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、EOS、ステラ、カルダノの8通貨に連動する予定。

ETPだけじゃない、将来を見据える全資産のトークン化SIX Digital Exchange

スイス証券取引所(SIX)は将来、すべての価値の移転はデジタルトークンで行われること予想しており、デジタル版の証券取引所であるシックスデジタルエクスチェンジ(SIX Digital Exchange/以下SDX)を設立することを発表している。

SDXが想定するサービス内容はデジタル証券の発行、取引、決済、そして保管も含まれており、SDXだけですべてが完結するデジタル取引所のインフラ構築を目指している。既存の証券取引所を、ブロックチェーン技術を使ったデジタルトークンに置き換えることで、資金調達時のコスト削減、取引時のコストの削減、管理運用コストの削減を狙っている。またSDXの対象は機関投資家や金融機関となっているが、利用想定には個人間取引も視野に入っている。

証券取引所のデジタル版、SDXで取り扱う金融商品は以下の4つを想定している。

取り扱い1:証券型デジタルトークン
SDXが取り扱う金融商品は資金調達時に発行する証券型のトークンが第一として考慮されている。一般的にはセキュリティートークンオファリング(Security Token Offering/STO)と呼ばれている手法で、SDXではイニシャル・デジタル・オファリング(Initial Digital Offering/IDO)とも呼んでいる。

取り扱い2:トークン発行
新規に発行するデジタルトークンで、これはこれまでトークン化されていなかった、ファンド型トークンや、バスケット型のトークンなどあらゆる金融商品をトークン化することが可能としている。

取り扱い3:既存資産のトークン化
トークン化されていない既存の株式や債券を、デジタルトークン化して取引所にてトレードを行うことを想定している。発行、取引、そして保管などが含まれる。

取り扱い4:譲渡が通常困難な資産
不動産や芸術品など一つしか存在しない代替不可資産についてもSDX上でトークン化することを想定しており、このトークン化により取引が簡単に行えると発表している。

ステーブルコインの発行も視野に

すべての資産をトークン化を目指すスイス証券取引所は、法定通貨のトークン化についても実験を行っている。スイスフランに価値が固定されたステーブルコインの他、スイス証券取引所で取り扱うUSドルも視野に入っていることが予想される。ただステーブルコインに関しては試験実施のニュースが伝えられているだけで、正式発表は行われていない。

世界の証券取引所に広がりをみせるか

世界の証券取引所ランキングにて13位(2016年)に位置しているスイス証券取引所の事例は、今後世界中の既存の証券取引所に影響を与えることが予想されている。問題なくETP運用が行われ、取引高も順調に伸びれば、世界最大の取引所を持つ米国にも好影響を与えるだろう。

今後もスイス証券取引所の金融商品の上場に加え、デジタル版の証券取引所の開発にも目が離せない。

参考:スイス証券取引所 https://www.six-group.com
参考:AMUN https://www.amun.com
参考:SIX Digital Exchange https://www.sixdx.com

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