【2018年11月】米証券取引委員会(SEC)の規制動向「DEX編」

仮想通貨業界に大きな影響を及ぼしている米証券取引委員会(SEC)が2018年11月に大きなポイントとなる動きを二つ見せました。一つは取引所EtherDeltaへの規制、そしてもう一つはトークン発行して資金調達したICOプロジェクトへの規制です。

今回はEtherDeltaへの規制内容の詳細とともに分散型取引所DEXの未来について考えたいと思います。

EtherDeltaとは?

EtherDeltaはDEXと呼ばれている分散型の仮想通貨取引所で、2016年からサービスを開始しています。中央管理者のいないDEXとしてのサービス提供履歴は長く、多くのコインの取り扱いがあります。

EtherDeltaという名前の通りEthereumのERC-20トークンの交換だけに特化した取引所で、交換などはすべてEthereumのオンチェーン上で行われている取引所です。

米証券取引委員会(SEC)の規制内容

2018年11月8日に発表された発表内容

プレスリリース
https://www.sec.gov/news/press-release/2018-264
詳細内容
https://www.sec.gov/litigation/admin/2018/34-84553.pdf

内容の要約

・EtherDelta自体ではなく創設者Zachary Coburnに対するもの
証券を取り扱う取引所は登録が義務付けられているが未登録った
・証券の疑いのあるERC-20トークンを18ヵ月間で360万件の取引提供した
・2017年7月にデジタルトークン発行が有価証券であるとの結論(※1)を出したにもかかわらず、その後も登録することなく取引所を運営した
・30万ドルの払い戻し、1万3千ドルの利息、7万5千ドルのペナルティ、合計38万8千ドルの罰金額

※1 調達額の大部分をハッキングされたことで有名なTHE DAO事件ですが、この際発行されたトークンは証券であるとSECが結論付けました。(レポート内容:https://www.sec.gov/litigation/investreport/34-81207.pdf

Zachary Coburn氏 経歴

米国シカゴに在住する31歳で、2010年から2015年まではシカゴにある証券会社に従事していました。(この証券会社はSECにも登録されているとも明記されています。)

2015年に同証券会社を離れ、2016年3月にオンライン上にEtherOptを設立、その後6月にEtherDeltaを発表しています。2017年11月に米国外の会社にEtherDeltaを譲渡しており、現在はEtherDeltaに関りはありません。

EtherDelta自体ではなく創業者に対して

経歴からもわかる通り、現在Zachary Coburn氏はEtherDeltaへの影響力を持っていないにも関わらず処分の対象となりました。ここが非常に規制対象としては難しい部分です。

本来ならば分散型取引所を現在もサービス提供するEtherDelta自体に行いたいところですが、中央管理者がなく所有権は国外ということで、対象をどのように扱うのかという大きな問題が出てきます。現状できる結果は個人に対しての訴訟内容ということに落ち着いたと思われますが、その先にあるEtherDelta自体や現存するDEXすべてに対して警告姿勢を見せたかったところでしょう。

分散型取引所DEXの方向性

大きな影響力を及ぼす米証券取引委員会(SEC)が分散型取引所DEXであるEtherDeltaの創業者を起訴したことで、有価証券の疑いを持つデジタルトークンを取り扱うならば、必ずSECに登録しなければならないという規制内容です。

中央管理者がいないという特徴のため強制力はどこに対して行うのかという大きな問題があるにせよ、米国民に対してサービスを提供する以上、中央集権的な団体がいようと非中央集権であろうとも関係なく規制対象であるというメッセージです。さまざまなプラットフォーム上で登場し、技術進化も著しいDEXがSEC規制を受けたことで今後の成長を不安視された向きもありますが、これは逆に将来のDEXのあるべき姿が少し見えたことでもあると思います。

DEX関連の話題としてはCoinBaseが2018年5月にDEXであるParadexを買収しました。CoinBaseはもともと認可を受けている取引所ですので、今回買収したDEXでも同じように規制対象範囲としてDEXのサービス提供を行っていくと思われます。

規制当局としてもマネーロンダリング対策などの観点から、自由に売買できる無登録の市場があることを容認できません。CoinBaseのDEX買収を黙認しているということは、SECの立場からも”技術進化するDEX市場は賛成するが、しっかり管理されており何かあった場合にコントロールできる状態で成長してほしい”ということなのでしょう。

こういった流れを日本で当てはめた場合は、やはりDEXと言えども日本でサービス提供する場合は金融庁の認可が必要になって来るでしょう。そもそも巨額な資産管理がないなど、中央集権型取引所と規制内容も異なってくる場合は考えられますが、現在の流れを考えると認可取引所がDEXの運営を同時で行っていくような未来が想像できます。

これは海外の流れを日本に当てはめただけの予想です。日本の仮想通貨ファンが公にDEXを使える日が早く来ることを願って見守りましょう。

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