既存サービスを破壊する!?観光業界の注目ICOプロジェクト

ブロックチェーン技術は注目されている。ただ ”変更不可能な分散型の台帳” と言われても「何にどうやって使うの?」「将来ブロックチェーン技術が生豊かにすることはあるの?」というのが素朴な質問だろう。

FINTIDEでは業種ごとに注目のICOプロジェクトを紹介する。着目したいのはICOプロジェクト自体ではなく、アイディアという視点だ。ここでは各プロジェクトに含まれるアイディアに今後の業界へのヒントが含まれているかどうかに注目する。

それでは第一弾、数多くのICOプロジェクトが立ち上がっている観光業界から紹介しよう。

キーワードはソーシャルトラベル

Cool Cousin


2016年に発足しすでに50万人の利用者を抱えるCool Cousinサービス。起業時にICOを行ったのではなく、ある程度サービスが軌道に乗ったあと事業拡大のためICOを行い資金集めも成功した。タイトルからもわかるように”旅には人とのつながりが必須”の発想のもと、旅行者に地元に住んでいる趣味趣向に合った情報を提供することですでに大きな支持を得ている。

サービス内に注目の目的地として各国の主要都市が掲載されているがその中に日本が含まれていないのが非常に気になるところ。ただ単に言葉の壁なのか、日本人が内向的なのか、それとも今まさに広まっていくところなのか。ぜひおもてなし精神で地元情報を掲載し世界の若者を日本に惹きつけたいところだ。

このICOプロジェクトでは、情報提供者への報酬、旅行者のサービス利用対価として仮想通貨が使われるとのこと。すでにサービスに一定の利用者がいることから機能強化プロジェクトとも言え、プロジェクト進行には一定の安心感がある。

https://www.coolcousin.com/


 

Pally


2017年10月に募集されたICOプロジェクト。アイディアとしては上記のCool Cousin同様にソーシャルトラベルと題し、旅行者と訪れる都市や町の住人とのマッチングを売りにしている。

こちらもICOが成功し、すでにiOS用アプリもリリースされサービス展開中。つながりを目的にしたPally Socialアプリと、地元のおすすめ場所を紹介するPally Adventuresアプリの二つから構成され、アプリ内ではどちらも共通の仮想通貨が使われる。

ソーシャル慣れした世代は旅行会社のパンフレットを見て旅行する機会は少なく、これらのソーシャルトラベルサービスが今後伸びてくるのは時代の流れとも言える。若者利用だけではなくお祭りを始めとする日本文化イベントの紹介にもこういったアプリは相性がいいはず。集客に関する利用アイディアはいくらでも考えられるはずだ。

https://pally.co/

 

Triip


このプロジェクトも内容的には上記と共通点の多いプロジェクト。他に仕事を持っている、ツアーガイドを専門としていない地元の人々をガイドとして旅行者に紹介している点が人気の秘密。ICOの実施計画以前、2013年にサービスを開始しており、日本のソーシャル大手ガイアックスも資金投入する注目サービス。

こちらも成功を収めているだけに、ICOによってさらにサービス拡大が予想される。テーマは旅行先での地元とのつながり。今後の旅は地元視点の体験なしでは成立しないかも知れない。

https://www.triip.me/
 

ブロックチェーンで業界再編を目指す

TRAVEL BLOCK


6月にICO募集を開始したばかりの旅行プロジェクト。長年観光業界に従事してきたメンバーで立ち上げられ、上記同様中間マージンを極力減らし既存の代金の30%~60%引きで提供できるところが最大の売り。

このICOが成功するかどうかはわからないが、現役ホテルマンが立ち上げた事業に30%以上の値引きができるという売り文句に、現状のマージンはどうなっているのか興味が湧いてしまう。

https://www.travelblock.io/

 

Concierge.io


アイディア的には他の観光プロジェクトでもよくある手数料を抑えた予約プラットフォームが最大の売り。だが開発プラットフォームで多くのプロジェクトが選ぶEthereumではなく、NEO上で作成されることが特徴だ。

NEOプラットフォームではEthereumの問題点解決や、開発面でも多くの言語が使えるなどアドバンテージがある。こういったことも含めて評価されICO成功につながったのだろう。

*2019.05.08 Concierge.io から Travala.com にブランド変更 https://medium.com/@concierge.io
https://concierge.io/

 

Trippki


2017年11月に実施されたICOプロジェクト。宿泊に関して中間業者を除き、旅行者とホテルの二つの関係を極力シンプルに考えられたサービス。

一度旅行者が滞在するとトークンが発行され、そのトークンを自由に使うことができるのが特徴。ホテル側はリピーターになってもらうべく旅行者に再度オファーすることができる。

どの業界でもあるが中間業者を抜くというのは様々な業界のICOプロジェクトでも考えられている代表的なビジネスアイディアだ。様々な壁があるとはいえ、ブロックチェーン技術はこの手法と相性が良さそうだ。

https://trippki.com/

 

いいアイディア、でも不人気

Nocturus


宿泊者場所と消費者を直接つながず、ミドルウェアの役割に特化した業界改善プロジェクト。多くのプロジェクトが”世の中を変えることができる”とうたう中、あえて既存サービスは使いつつ機能に特化した提案を行っている。

名指しで標的にしているのはExpedia、Pricelineなどオンライン予約市場の多くのシェアを握る巨大旅行会社。上記二つの宿泊場所管理システムでシェアの半分に迫るものがある。

十数年前、店舗予約からオンライン予約ができるようになりこれらのサービスはコスト革命を起こしたはずだが、TRAVEL BLOCKによればそれでも20%以上のマージンを削除できるとのこと。

TRAVEL BLOCKはブロックチェーン技術により世界の宿泊部屋のデータベースと管理システムを作り、小さな旅行代理店もマージン差なく使えるよう配慮されているとのこと。事業紹介にもあるように確かに旅行意欲溢れる日本のシニア層がアプリを駆使しスマートコントラクトすることは想像しにくい。とてもいいアイディアだと思ったがプロジェクトに問題があるのかいまいち人気がない。

https://international.nocturus.com/

 

変わり種で話題

TAVITT


2018年1月に起こったコインチェック事件が冷めやらぬ3月、タイ、バンコクに本拠地を置く同社から発表された「日本居住者はICO購入不可」との金融庁からのメール返答が話題になったTAVITTプロジェクト。

6月には同コインの上場も行い現在もプロジェクトを順調に進めている。未来の旅行者へ向け、旅行の本当の魅力を伝えるため事業を続けている同社。旅行という限られた時間の中て一番効率のよい巡回ルートを提案することをポイントとしている。

3月当時の世論を考えれば金融庁から出された「認定業者でなければ一律ダメ」のメッセージは理解できるが、いつまでたっても一律ダメではいつか世界のスタンダードが日本では使えないにもつながりかねない。

https://tavitt.co.jp/

 

EBCOIN


2017年12月に実施され第一期だけでも10億円以上集めたICOプロジェクト。旅行者の税金還付制度に焦点を当てた独自サービスが特徴。旅行者の煩雑な手続きはもちろん、免税店側のメリットも考えられている。資金も豊富に集まったことからプロジェクトも順調に進んでいる模様。

プロジェクトの人気からもわかるように旅行者にとって現在の免税店やその後の還付手続きには一定の不満があるのは明らかだ。今後旅行のスタンダードになる可能性も秘めた独自視点のプロジェクトである。

https://www.ebcoin.io/

IoTまで取り込み玄関ドアまで制御

OkeyDokey


ブロックチェーン+IoTを組み合わせ、玄関ドアロックまでも制御しようとする現実の利用に則したプロジェクト。

Airbnb、Homeawayなど予約サービスとして画期的なものがあるが、たしかにこれらはあくまで予約まで。部屋へのアクセスとなると話は別だ。このプロジェクトでは玄関ドアにも独自のハードウェアとシステムを仕込み、予約から部屋アクセスまでを提供しようとしている。

玄関アクセスということはドアへのなにかしらの施工が必要で、どうしてもハードルが上がってしまう印象があるが、これが本当に実現すれば、予約、支払い、チェックインまでが無人で行えることになる。

進行具合は見守る必要があるが観光業に加え、不動産分野でも注目されるべき夢のアイディアと言えるのではないだろうか。

http://www.okeydokey.network/

 

Explorio


これからICO募集ということでそもそも資金が集まるかということもあるが、プロジェクトのアイディアはレビュー特化ということでピックアップ。

旅行レビュー→コミュメンバーチェック→メンバー投票→レビューの参照度合いによって報酬という流れを持ったシステムで旅行へのきっかけを提供する。

https://explorio.com/


まとめ

ICOというと投機目的、成功か失敗か、はたまた詐欺、に注目が集まりがちだが、資金を集める種となったアイディアをピックアップしそれが進行しているかどうかを見ることで今後どのようなサービスが広がっていくかが見えてくるような気がしないだろうか。

繰り返しになるが、これらのICOプロジェクトはアイディアという視点で書き出した。5年後に残っているスタートアップが少ないことからも、これらのプロジェクトが今後順風満帆に進んでいくとは思えないし、これから多くの壁を体験するだろう。

仮想通貨業界でもそうだが、不利な後発コインは先人コインのデメリットを解決すべく新技術を搭載したものが多い。乱立と淘汰を繰り返すことで様々な問題が解決されサービスが浸透していくはず。今後もアイディアという視点でICO観察を続ける提案をしたい。

 

続き>>
【業種ごとの注目ICO特集Vol.2】
近日公開予定!

 

Close Menu