ローソン銀行や、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティングが、キャッシュレス決済やポイント還元に関する調査結果を公表した。政府によるキャッシュレス・ポイント還元事業の実施から約2ヵ月経ち、徐々にキャッシュレスも広がりを見せているように思われるが、実際の調査結果はどうなっているのか参考にしたい。
今回紹介するポンタリサーチは11月1日から5日にインターネット調査として行われ、20代、30代、40代、50代、60代の男女それぞれ300人ずつ合計3000名を対象に行われている。
キャッシュレス拡大、10人に1人はもう現金もってない?
20代から60代まで幅広い層にて調査が行われているが、クレジットカードの利用がやはり多く(76.1%)、スマートフォン決済(46.0%)や電子マネー(41.9%)の利用もどちらも4割以上の人に拡大しており、キャッシュレスが広がっている調査結果となっている。
この設問は複数回答のため現金が必ず選択されるのはわかる。店舗によってはどうしても現金のみの場面もあるからだ。特に気になるのは現金を選択しなかった16.3%の人だ。この中には「覚えていない」などを選択した人も含まれているのだが、もしかすると完全にキャッシュレスを達成している人が10%程度いるかも知れない。住む街や人によると思われるが、10人に1人はもう現金を持っていないのだろうか。
キャッシュレスの中心はやはり登場してもう50年経つクレジットカードとなっており4人中3人が実際に利用している。しかし後発にも関わらず、還元率が話題となっているスマートフォンアプリは電子マネー以上に勢いを増している。
スイカはガラパゴス?
地域差で激しいのは交通系電子マネーとなっている。特に千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県での比率が他の地域に比べて非常に高い。これは人口過密により電車網が発達している関東独自の普及方法であることが伺える。
関東以外の地域では鉄道系電子マネーはスマートフォン決済の半分ほどしか使われていない。もし関東でスイカをお使いの方は、それ以外の地域ではそれほど交通系電子マネーが広がっていないということを頭に入れて旅行に出かけよう。
10月以降スマートフォン決済を準備した人が21.6%
10月の消費増税に合わせて行われたキャッシュレス・ポイント還元事業だが、その10月以降にスマートフォン決済を新しく準備した人が21.6%に上った。また7割以上がクレジットカードをすでに使っているため、新たに決済方法を新設しなかったという人は50.8%となっている。
スマートフォン決済の新設が多いのはキャッシュレス・ポイント還元事業の税制優遇に加え、PayPay(ペイペイ)など独自の大規模還元キャンペーンが影響していることが予想される。
スマートフォン決済のチャージ方法は61.5%がクレジットカード
上記に関連しスマートフォン決済を利用した人のアプリへのチャージ方法だが、クレジットカードからのチャージが61.5%だった。スマートフォン決済に利用するアプリの多くは直接銀行口座からもチャージが行えるがその比率は42.7%にとどまっている。クレジットカードをすでに持っている人にとっては、クレジットカードの補助機能のような感覚でスマートフォンアプリを使っている方が多いことがわかる。
政府目標は2025年の40%
4人に3人がクレジットカードを利用中で、全体の4割以上がスマホ決済も合わせて使っている。
政府が掲げる目標は2025年までに40%のキャッシュレスだが、今回の「Pontaリサーチ」結果を見ると、もう達成してるんじゃないかと思ってしまう。日本全国の実際のキャッシュレス比率はどうなっているのだろうか。