東カリブ諸島の中央銀行がデジタル通貨を発行 米Overstockがbittへ増資

米NASDAQ上場企業overstock.comの傘下で東カリブ諸島のバルバドスに拠点を置くフィンテック企業Bitt Inc.が、仮想通貨発行のため東カリブ通貨同盟(ECCU – Eastern Caribbean Currency Union)と提携したことを発表しました。

今回の発行が実現すれば、中央銀行が発行する世界で初めての仮想通貨となるため大きな注目を集めています。

東カリブ通貨同盟とは
東カリブ通貨同盟(ECCU – Eastern Caribbean Currency Union)とはカリブ諸島の6ヵ国が加盟する通貨同盟で、東カリブ中央銀行(ECCB – Eastern Caribbean Central Bank)の監督下にある機関です。東カリブドル(Eastern Caribbean dollar)を発行しています。

今回、東カリブ中央銀行と米Overstock.comは公式ページの中で以下のように発表しています。

東カリブ中央銀行 総裁 Timothy N. J. Antoine氏
これは学術的な実験ではありません。
デジタル版の東カリブドルは、中央銀行が発行する世界初のデジタル法定通貨になるだけではなく、最終的に一般市民に公開されることが計画された実施案です。
今回の試みは現金の使用量を50%削減し、金融機関の安全性を高め、加盟国の成長と発展を目的とした東カリブ中央銀行の戦略計画2017-2021の一環です。
これは私たちがビジネスを行う上で非常に大きな影響を与えるでしょう。

Bitt社のCEO Rawdon Adams氏
Bittを選んだ東カリブ中央銀行に感謝します。私たちの使命は財政問題を解決するためのブロックチェーン技術の実用化です。
それは東カリブ通貨同盟が金融の安定性を行うため最新技術を導入し、63万人の市民全員の生活に飛躍的な向上をもたらすことです。東カリブ諸島の経済成長と市民の生活の質を高めることが私たちの目標です。

Overstock.comのCEO Dr. Patrick M. Byrne氏
私は文明のためになる第3レイヤーの技術は、ブロックチェーンと中央銀行の融合だと考えています。この分野で世界をリードするBitt.comは素晴らしい企業だと思います。
私たちはCEOであるバルバドスのRawdon Adams氏を3年間支援してきました。また40人のカリブスタッフと協力することがとても有益であると感じています。この成果が東カリブ中央銀行の島国で実施され嬉しく思います。東カリブ中央銀行総裁のTimothy Antoine氏は先見の明があると思います。
最近、いくつかの島は重大な自然災害が発生し、壊滅的な被害を受けました。私たちの技術が復興を加速させる役割になるのではないかと思っています。

overstock.comとは

オーバーストックとは、米NASDAQ上場企業でアウトレット商品をオンラインで幅広く取り扱っている小売総合サイトです。2014年に大手企業で初めてビットコイン支払いを受付開始したことでも知られています。

公式ページ

 
その後もブロックチェーン関連技術へ投資を積極的に行っており、投資専門の子会社MEDICI Venturesを通じて、STOプラットフォームのtZEROや、東カリブ諸島のバルバドスに拠点を置くフィンテック企業Bitt Inc.などのブロックチェーン関連事業を支援し続けてきました。

今年初めには全米で大手企業として初めてビットコイン納税を行うとも発表しました。ブロックチェーン関連事業を幅広く扱う大手企業です。

中央銀行が発行する仮想通貨

キャッシュレス化が進んでいる世界の中央銀行では、ブロックチェーン技術の浸透により、中央銀行による仮想通貨発行が検討されています。

キャッシュレスに関して日本よりかなり進んだスウェーデンなどでは、国としてデジタル通貨を発行することが具体的に検討されています。

日本で中央銀行に当たる日銀(日本銀行)でも、先日デジタル通貨を発行する際の問題点などをまとめたレポート「情報技術革新・データ革命と中央銀行デジタル通貨」が発表されました。

日銀レポートより

 
現在、実際に発行する計画はないと前置きつつも世界の金融動向を意識し、目標である40%のキャッシュレス化の実現へ向け、未来のお金を模索しています。

東カリブ諸島は2019年3月に試験開始

公式ページより

 
今回発表された東カリブ諸島が発行するデジタル通貨は、2段階のリリース計画になっています。

まず2019年3月より12ヶ月間の試験発行を行い、その後の6ヶ月間で同盟国への展開と通貨の配布を行うとしています。またこのデジタル通貨発行計画を成功させるため、すべての加盟国を通じて国民への教育活動を強化していくとしています。

この東カリブ中央銀行の計画は、中央銀行が発行するデジタル通貨発行の貴重なモデルケースです。国民へ浸透させるまでの一連の内容は、今後日銀も参考にすることは間違いありません。

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