今年も残すところあと数日となり、人によっては長期休暇に入る方も居られるかと思います。
休暇の過ごし方として映画をまとめてレンタルして映画三昧という過ごし方も定番ですが、そんな人にお勧めの作品を紹介します。
マジックマネー ビットコイン革命
冒頭、2001年宇宙の旅原作者アーサー・C・クラークの有名な3法則の一節
「充分に発達した科学技術は魔法と見分けが付かない」
という言葉が出てきます。
そして通称「ビットコインジーザス」ロジャー・バーのインタビューを中心に、ビットコイン(とそれを支えるブロックチェーン)の利便性、従来の金融システムとの違いが59分間の上映時間でごく簡単に語られるドキュメンタリーです。
仮想通貨の利点として映画では以下の点を挙げています。
- 2013年のキプロスショックでは、預金者の同意なく預金カットでの銀行救済が実行された。
既存の銀行システムでは預金者の立場が弱く、預金を銀行などに勝手に使われることを止める事が出来ない。
→ ビットコインでは従来の銀行が担っていたお金の管理全般を個人が行える事、お金の管理を個人が行う事で他者が勝手に使うことが出来ない。 - 通貨を発行する国の力が強く、国民の意見とは異なることに使われ、例えば戦争に使われることを止めることが出来ないこと。
→ お金の発行主体となる「中央」が無い事から、「中央」の無理強いを防ぐ事が出来、ひいては戦争のような行為に対する抑止力になる。 - 発展途上国の国民など金融システムから除外されている人々を金融システムに参加させることが出来ること。
→ 銀行や国家による承認が必要ない為、従来口座を持てなかった人でも口座を持ち金銭の管理を行う事が可能になり、金融システムに参加できる。
後半マウントゴックス事件にも触れる事で仮想通貨が抱えている問題に触れています。
事件によって一般にネガティブなイメージが付きましたが、ビットコインやそれを支えているブロックチェーンではなくあくまでもマウントゴックスの運営やセキュリティ対策の問題だがその理解が進んでいない点。
そして従来の金融システムとは異なりあらゆる部分を自己決定できるが、管理責任についてもすべて自分が負わなければならない、
普及するためにはこの従来のシステムとの違いを理解、受け入れてもらう必要があることです。
仮想通貨においては取引や保管について自己責任であることに注意を促す構成になっていて、自然と従来のシステムとの違いを意識するような構成になっている点は評価できます。
また内容が概観を触れるような作りの為、それ程古びていない事もポイントです。
そして何よりロジャーバーをはじめとして関わっている人々が本気で社会をより良くしようと情熱を燃やしていることが強く印象に残る、そんな映画です。
タイトル:マジックマネー ビットコイン革命(2016年)/原題:Magic Money: The Bitcoin Revolution 59分
監督:Tim Delmastro
公式サイト:マジックマネー:ビットコイン革命のドキュメンタリー
AMAZON Prime配信ページ(プライム会員の場合追加費用無し):マジックマネー (Magic Money)
iTunes配信ページ:マジックマネー (字幕版)
その他にも仮想通貨関連では以下の映画もお勧め
・ビットコイン 夢と未来(2014年)/原題:The Rise and Rise of Bitcoin 1時間39分
監督:ニコラス・モロス
AMAZON Prime配信ページ:ビットコイン 夢と未来 (字幕版)
iTunes 配信ページ:ビットコイン 夢と未来 (字幕版)
ツタヤ 配信ページ:ビットコイン 夢と未来
サトシ・ナカモトと共にビットコイン開発に関わった人、彼のアイデアに触発され会社を興した人、その匿名性を悪用した人、そして破綻した人、色々な人物への取材を通してビットコインの黎明期から2014年のマウントゴックス破綻まで仮想通貨業界がたどった光と闇の流れを追体験出来るように作られたドキュメンタリーです。
投機性ばかりが注目されがちな仮想通貨がどのような思想で作られ、携わった人々が何に魅力を感じ、どう情熱を傾けたかを分かりやすくまとめています。
・仮想通貨 ビットコイン(2017年)/原題:Banking on Bitcoin 1時間23分
監督:クリストファー・カヌーチアリ
Netflix 配信ページ:仮想通貨 ビットコイン
「ビットコイン 夢と未来」とインタビュー対象が被っているが制作年がこちらの方が新しい為、(監督は違いますが)アップデート版とも言えます。
・ソーシャルネットワーク(2010年):原題:The Social Network 2時間1分
監督:デビッド・フィンチャー
公式サイト:The Social Network
アカデミー「脚色」賞受賞映画。
仮想通貨業界の有力者「ウィンクルボス兄弟」の若き日とFacebook創業者のマーク・ザッカ―バーグの因縁が描かれているので取り上げました。
映画の主題はマーク・ザッカ―バーグがFacebookを如何に立ち上げたかなのですが、その過程で起きた訴訟の和解金を元手にウィンクルボス兄弟は世界4位の仮想通貨長者になっています。
それとあくまでも実話を「元」にした映画であって、100%事実(エリカは実在しない、監督の過去作品のキャラクター名が出てくるetc)ではありません。