カイバーネットワーク/Kyber Network(KNC)の特徴をまとめて解説

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カイバーネットワーク/Kyber Network(KNC)

Kyber Network(カイバーネットワーク)は、仮想通貨の交換ができる分散型取引所(DEX)として機能する決済APIプラットフォームです。

将来的に目指しているものはクロスチェーンの利用による異なるブロックチェーン間での仮想通貨交換の簡便化とそれによりDappsを始めとする様々なトークンサービスが繋がるクロスプラットフォーム構想です。


アドバイザーにイーサリアム創業者のVitalik Buterin氏

Kyber Networkの注目点として必ず挙げられるのが、アドバイザーとしてイーサリアムの創業者であるVitalik Buterin氏が名を連ねている点です。
Kyber Networkの開発にはイーサリアムの仕様が使われておりさらにVitalik Buterin氏が関わっていることで開発の強い求心力として左右します。開発力が高まることは成否に大きくかかわるためKyber Networkはこの点にアドバンテージを有します。

3つのコア設計

Kyber Networkのプロトコルは、以下、3つのコア設計を理念に構築されています。

■【1】プラットフォームに依存しない

■【2】即時決済と取引の不確実性の解消

■【3】統合が容易で開発者にやさしい

販売所のようなイメージ?“Reserve”の仕組みでDEXの流動性が低い問題を解消

Kyber NetworkはDEXの流動性問題を解消するために、“Reserve(リザーブ)”という仕組みを導入しています。

DEXの流動性が低くなりやすい要因はオンチェーンで個人の取引を約定するためトランザクションのラグによる遅延・トランザクションコストが高くなりやすい、注文を提示するmaker不足が、取りに行くtakerの不足を招く悪循環などがあります。

リザーブでは、予め即時取引で約定するための交換通貨を“Reserve”しておくことで取引注文を即時決済させます。
この仕組みは仮想通貨交換所における運営企業から仮想通貨を売買する「販売所」サービスを想像すると分かりやすいと思います。

手持ちの通貨で決済、相手の希望通貨に自動交換される

ユーザーは自分の持っているトークンで決済を行い、相手には向こうの希望するトークンで支払われます。
間の必要な仮想通貨交換作業は、Kyber Networkの決済APIを通じて自動的に行われます。

そのため、Kyber Networkで利用できる提携トークンが増えるほど、仮想通貨決済が便利になります。

提供する機能

2018年6月のリブランディング以降、新しく生まれ変わったKyber Network(2.0)の軸となる機能は3つ。

KyberSwap
シンプルで洗練され優れたUI、ユーザーフレンドリーなUXで暗号通貨トレードを提供する“最も簡単な分散型取引所(DEX)”
https://kyber.network/swap/eth_knc

知識のない一般消費者が直観的に扱えるユーザーフレンドリーな暗号通貨トレードの実現は欠かせない課題です。KyberSwapはその多くの取引所が抱えるUIの悪さに取り組んでいると言えます。KyberSwapで一番に目を引くのが買い板や売り板(オーダーブック)がない点です。KyberSwapはリザーブによる高い流動性により板に注文を並べて約定を待つことなくスピーディーに取引を完了させます。

KyberGO
(ComingSoon)
トークンセールのための分散型プラットフォーム。これからのICOのかたち “IEO (Initial Exchange Offering)”

現在行われているICOはとにかく煩雑で分かり難く、オペレーションの現場でも混乱が日常茶飯事です。投資家はICOプロジェクトごとに違う参加ルールと情報不足と不透明感に不安しかなく、ICOプロジェクト側は投資家対応に追われてプロダクトに専念できない。
KyberGOは、統合されたUI/UXで、投資家とICOプロジェクト側の双方に効率的なメリットを提供すると説明されています。

Gormos
(ホワイトペーパーの公開など詳細発表待ち)
Gormosは高性能スケーラビリティソリューションだそうです。現在のブロックチェーンの最大の課題でありネックが処理の遅さと手数料がトランザクション1件1件に発生してしまう点などです。最速のトランザクションでも数秒掛かるような遅さでは、トランプゲームひとつまともに遊ぶ気になれません。これを解決するソリューションがGormos(ゴルモス)だそうです。

KNCの役割、用途

Kyber NetworkのトークンであるKNCは、以下の役割と用途があります。
https://kyber.network/about/knc

KyberReserves
Kyber Networkの流動性への貢献者への報酬
KNCは、流動性ネットワークにおける準備金制度の円滑な運営を促進します。トークンの流動性を運営し提供するためには、KNCを購入してネットワークでの事業費を支払うために第三者のトークン引当金が必要です。Kyber Networkは、KNCでこれらの引当金から取引手数料を徴収しています。

Dapps / Wallets / Vendors
Kyber Networkの流動性ネットワークを活用する事業体への報酬
Kyber Networkの流動性ネットワークに登録してプラグインすることにより、DApps(分散アプリケーション)と企業は、Kyber Networkで円滑に進めるごとにKNCで手数料を獲得します。たとえば、APIと統合されたDAppプラットフォームは、より多くのユーザーを当社のネットワークに誘導し、より大きな導入をもたらすためにKNCの紹介料を受け取ることになります。

ネットワーク利用料
各取引では、イーサリアムのGASの役割に相当するものとしてKyber Networkへ収集された手数料の一部(KNC)が循環しています。

開発ロードマップ、開発進捗

公式サイトで開発ロードマップと各Qの進捗がチェックされています。

▼2018年4月にメインネット稼働後、6月にリブランディングを実施
Kyber Networkのリブランディングは名称の変更はなく、ロゴやブランドイメージの刷新とビジョンの統合を目的に行われました。

Kyber Network ロードマップ
▼公式サイトロードマップより
Q1/2018 ※Kyber Network Q1:4~6月
メインネットのローンチ⇒[リリース]
Q2/2018
分散型流動性ネットワーク、KyberSwapの発表⇒[リリース]
ERC20とERC20トークン間の変換をサポート⇒[リリース]
KyberGOプラットフォームを発表⇒[リリース]
Q3/2018
・リリースするGormosの詳細⇒[進行中]
・より多くの開発者向けAPIをリリース⇒[進行中]
・KyberGOのローンチ⇒[進行中]
Q4/2018
・クロスチェーンをサポート⇒[予定]
・リザーブの開放⇒[予定]
前半/2019
・高度な金融商品をサポートする⇒[予定]
Q2/2019
・Gormos testnetを起動する⇒[予定]

クロスチェーン・アトミックスワップの方法

Kyber Networkはクロスチェーンの利用を重要ビジョンとしています。アトミックスワップの実現手段については多くのプロジェクトが取り組んでいますが、Kyber Networkでもその取り組みはロードマップにて4Q/2018(2019年1~3月)でのサポート導入予定を表明しています。Kyber Networkの設立時のホワイトペーパーでは手法については保留された状態でしたが、2018年4月6日にCEOのLoi Luu氏がブログ上にてプランと取れる重要な投稿をしましました。

 Bringing Bitcoin to Ethereum

※こちらのウェブサイトにて、ブログ全文の翻訳をしてくれているので紹介します。
 Kyber Networkは、どのようにBitcoinをEthereumに持ち込むのか?【Bringing Bitcoin to Ethereum】

類似するDEX系プロジェクト?“0x plotocol”との比較で思うこと

類似するDEX系のプロジェクトは多々見られますが、その中で“0x plotocol”との比較で気になる点を感じました。

0x plotocol
0xとの相違点は3点あり、「0xはDEXを作成するツール(プロトコル)」、「スケーラビティを見越したオフチェーン」、「クロスチェーンの利用は予定していない」です。
特に大きな違いとして筆者の着眼するところは「0xはDEXを作成するツール(プロトコル)」の違いです。かなり飛躍した考えですがこれは競合することなく協調できる関係となれる可能性を示唆しています。

それぞれの特性を有効的に活用するために、別にKyber Networkに0xのプロトコルが導入されても良いのではないでしょうか?今後プロジェクトの生き残りをかけて、またはより良いものにするために複数プロジェクトの提携・統合されるケースも増えるでしょう。

Kyber Networkの将来性は?課題は?

Kyber Networkは決済APIを提供するプラットフォームですので、その決済APIを介して決済に利用できるトークンの種類、採用してくれるサービス・提携パートナーの存在が最も重要です。KyberSwapのイーサリアム上トークンのETH購入は拡がっていますが、今後、クロスチェーンを見込む外部チェーンのパートナーシップが進むか注目です。

他、前述されたKyber Networkのリザーブには準備金としてのトークンを、クロスチェーンの仕様では導入を進めるうえで多大な保証金額を必要とします。中央管理者の存在について、ブロックチェーンの世界ではイーサリアムの分裂など度々大きな火種にもなっています。
このあたりのクロスチェーンの実現課題のクリアと、提携パートナーの増加が将来性を計るうえで重要になってくるでしょう。

さらに、Kyber Networkはクロスプラットフォームのサポートを予定していますが、今はまだイーサリアム上でのETHを中心とした交換プラットフォームとして稼働しています。2018年度中のクロスプラットフォームサポートを予定していますので、ビットコイン(BTC)のサポートの進捗を追跡することが将来性を見極めるうえで重要なポイントと言えると思います。

基本情報

※2018年6月のKyber Network2.0イベント、リブランディング発表イベントのライブ映像です。

ジェネシス日 2017/09/12
ブロックタイム
発行上限 2億1600万枚(216,000,000)
ハッシュアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズム
ホームページ https://kyber.network/
開発/GitHub http://developer.kyber.network/
https://github.com/kybernetwork
コミュニティ/フォーラム https://kyber.network/community
エクスプローラー https://etherscan.io/token/0xdd974d5c2e2928dea5f71b9825b8b646686bd200
https://ethplorer.io/address/0xdd974d5c2e2928dea5f71b9825b8b646686bd200
取引所 CPDAX、OKEx、Bithumb、Binance、Huobi、Lqui、Poloniex、Coinone、Neraex、Gate.Io、TDAX、Mercatox、Kyber Network(直近取引高が高い取引所より。他、多数)

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