【詳しく解説】米銀行大手JPモルガンのステーブルコイン「JPMコイン」

米銀行大手のJP Morgan Chase & Co.が独自のステーブルコインJPMコインを発行すると発表しました。大手銀行で独自のコインを発行するのは全米初です。

公式ページより

 
これまでJPモルガンのCEOジェームス・ダイモン氏の発言は仮想通貨に対して否定的なものが多く、JPモルガンは仮想通貨に対して消極的との印象を与えていました。しかし過去の投資状況は必ずしもそうではありません。JPモルガンは他の金融機関に先駆けてブロックチェーン技術にも大きな開発研究を行ってきた経緯があります。

以前から独自のプラットフォーム開発、独自送金網も

2016年からブロックチェーンの開発に着手しており、Ethereumをベースにしプライバシー技術ZK(Zero Knowledge)-Snarksをも取り込んだプラットフォーム「Quorum(クオラム)」をJPモルガンが独自に開発しています。

その後、国際送金分野でスピードアップやコストダウンを目的にし、このQuorum(クオラム)を使った送金ネットワーク団体「Interbank Information Network(IIN)」をJPモルガンが主導して立ち上げています。

Quorum(クオラム)上で発行されるJPMコイン

今回、発行されるJPMコインはこの独自のブロックチェーンQuorum(クオラム)上で発行され送金が行われます。公式発表内では、今後ほかのプラットフォームへの対応も視野に入れているとしています。

ステーブルコインJPMコインは個人向けではなく銀行や企業向け

JPMコインは口座へのドル入金とともに発行されるドルペッグ通貨です。ただ少額決済などは想定してなく、個人への発行は行いません。

あくまで銀行や企業、機関投資家など大口顧客が国際送金において資金移動する目的に限定されて発行されます。

JPMコインの発行手順

公式ページより

 
STEP 1: ドル入金確認後、JPMコイン(1米ドル=1JPM)発行
 (JPモルガンに認定されたアカウントのみ)

STEP 2: コイン所持者間で送金
 (送金や有価証券取引の支払いなどの用途に使われる)

STEP 3: JPMコインを返却することでドルに変換

公式発表では米国の銀行規制当局の監督下に運用することが明記され、実際に発行するまでには発行手順の説明を行うことや、承認を求めていくとしています。

ステーブルコインJPMコイン概要

 プラットフォーム:Quorum(クオラム)

 発行条件:JPモルガン口座へ入金確認後、1米ドル=1JPMにて発行

 発行対象:JPモルガン KYCを通過した銀行、証券取引ディーラー、企業

 用途:JPMコイン所持者間で送金や有価証券取引の支払いなど

 今後の予定:
  ・Quorum(クオラム)だけではなく他のプラットフォームにも対応予定
  ・ドル換算し他のフィアット通貨への対応も行う予定
  ・カストディ(仮想通貨保管業)などはまだ考えてなく現在検討中

まとめ

JPMコインはステーブルコインと言えども、三菱UFJホールディングスが発行を目指しているMUFJコインなどとは概要や用途が違い、Rippleを筆頭にする国際送金分野での活用を目指しています。また、主導して国際送金網を目指していることで、現状の国際銀行間通信協会(SWIFT)への影響も少なからずあるでしょう。

200兆円を超えるバランスシートを持つ米大手銀行JPモルガンが発行するJPMコイン。ブロックチェーンの得意分野である国際送金において仮想通貨の採用が加速しています。

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