楽天の三木谷氏が代表理事を務める新経済連盟がブロックチェーンに関する提言書を提出

7月30日、楽天の三木谷氏が代表理事を務める一般社団法人の新経済連盟が、金融担当大臣宛てに要望書「ブロックチェーンの社会実装に向けた提言」を提出した。

今年2019年の2月に金融庁にて行われた研究報告書に対して「暗号資産の新たな規制に関する要望」が同じく新経済連盟から提出された経緯があるが、今回の提言書はその内容を踏まえた上であらためて新経済連盟メンバーにて議論を行った意見をまとめたもとのなっている。

ブロックチェーンの社会実装に向けた提言の概要

ブロックチェーンに関する要望

ブロックチェーン分野において、世界のトップランナーを目指すべきである。
【具体的施策】
  ・政府において、各行政分野におけるブロックチェーン活用について検討する
  ・官民協議会を設置し、国内外の最新動向を共有するとともに、政府・自治体・民間におけるユースケース及び社会実装に向けた課題を洗い出す
  ・政府において、ブロックチェーンが活用される社会にふさわしい法規制・監督のあり方や、ビジネス創出の後押しをするために必要な支援、関係省庁横断的な機能の設置を検討する

日本国内ではブロックチェーン技術開発や仮想通貨関連企業が少ないと言われ、米国や中国を始め世界的に見ても遅れをとっている状況と言える。そういった国内の業界に危機感を募らせている状況が現れている。

特に米国でもそうだが、規制面が不透明なことから技術進化が停滞する傾向があり、新経済連盟から官民一体となった進化を求める提言が行われている。

暗号資産新法に関する要望

【セキュリティトークン(投資型ICO,STO)】
◇契約又は技術により流通性が制限されている場合は、1項有価証券としての規制を課す実質的根拠がないため、電子記録移転権利に該当しないと府令で定めるものとして、以下を含めること
 ・譲渡対象が制限されている
 ・サービス内の会員やホワイトリスト掲載者にのみ譲渡可能
 ・一定のロックアップ期間が設定
 ・スマートコントラクト等の技術により、流通性が制限されていることが担保、など

◇ STOに対応した制度設計とするため、将来的に以下について検討すること
 ・米国の証券規制等も参考にしつつ、投資家属性等に応じたきめ細やかなルール導入
 ・少人数私募の取得勧誘(声かけベース)について、STOについて購入者ベースとする特例を設けることを含めた見直し
 ・株式投資型クラウドファンディングの1億円・50万円の上限を緩和

一度規制方針が決まると、抜け道を防ぐべく必要以上に厳しい規制になりがちだ。規制は用途をしっかり把握した上で行い、該当しないものは過度の規制から外すことが重要であるとの提言を行っている。

STOと呼ばれているトークンの使い道は株式証券に留まらず、さまざまな資産を証券化する方法が模索されている。種類別のルールを設け、的確な規制とすべきとしている。また今年2月の提言書にも含まれていたが、現状厳しすぎて使われていない株式投資型クラウドファンディングの規制緩和を再度求めている。

【カストディ】
 ・カストディ事業者への該当性及び規制内容の判断はリスクベースアプローチを採用し、必要最小限の規制とする
 ・秘密鍵の管理方法によってリスクのないケースは、カストディ事業者とならない旨、ガイドラインにおいて明確化する
 ・コールドウォレットの定義を「流出リスクが十分に低減されている又はそれと同視できる状態での保管」とし、物理的な遮断に限定しない

こちらも同様にリスクのない業務について過度の規制を行わないように求めている。

【ステーブルコイン】
 ・ステーブルコインの類型ごとの法的性質を、ガイドライン等により可能な限り明確化する
 ・特に、法定通貨担保型以外のコインは、非通貨建資産であり暗号資産となることを明確化する

【税制】
 ・国会の付帯決議を踏まえ、暗号資産等の取引に関する所得税の課税のあり方について検討する

様々な種類が登場しているステーブルコインについても含まれた。また税制については、今年2月の提言書にも総合課税から申告分離課税(税率20%)への変更や、仮想通貨間の交換は非課税、損益通算を可能にするなどの提言が行われており、引き続き仮想通貨の税制改善に向け提言を行った。

参考:【プレスリリース】ブロックチェーンと暗号資産に関する要望を金融担当大臣ほか関係大臣宛てに提出

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