ICEのバックト(Bakkt)が個人向けの多機能ウォレットを今夏リリース|スタバからデジタル通貨普及か
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大手取引所グループであるインターコンチネンタルエクスチェンジ(Intercontinental Exchange/ICE)が運営するバックト(Bakkt)は、シリーズBの投資ラウンドを行い3億ドル(約318億円)を調達した。16日にCEOであるマイク・ブランディナ氏が発表した。
今回の投資ラウンドでは親会社のIntercontinental Exchangeをはじめ、MicrosoftのベンチャーキャピタルM12や、PayU、Boston Consulting Group、Goldfinch Partners、CMT Digital、Pantera Capitalが名を連ねている。
今夏リリース予定のBakktアプリの詳細発表
マイク・ブランディナ氏の投資ラウンド発表の中で、個人向けの総合デジタル通貨ウォレットの詳細が合わせて発表され、この内容が特に注目されている。
これまでの得意分野はどちらかと言えば機関投資家へのサービス提供だったが、Bakktでは今後デジタル通貨が幅広い用途で個人に普及することを予想しており、大きく3つの機能を有する個人向けデジタル総合ウォレットであると発表された。
そのアプリではポイント管理機能、ゲーム用通貨管理機能、現金決済機能、仮想通貨取引機能などが搭載される予定となっている。
■ポイント報酬機能
コーヒーショップのポイントや、航空会社のマイルなどの各社のポイントの獲得履歴やポイント保有一覧が表示される。それぞれのポイント交換や、現金交換などの機能を想定している。
■仮想通貨取引
個人向けの仮想通貨取引機能。ニューヨーク証券取引所を含む大手取引所グループにて培われたセキュリティ経験が仮想通貨の個人売買でも活かされる。
■決済機能、現金口座
Apple PayやAndroid Pay対応店舗での支払い機能。また現金の入金、出金、その履歴などを管理できる。個人あての送金機能も想定している。
スターバックスから個人への利用が広がるか
BakktのAdam White氏は今回の発表に関するツイートの中で、スターバックスコーヒーでも利用できることを発表した。
We're also reducing payment costs for merchants which improves their bottom line. Open your @Starbucks app to see our first direct integration and select @Bakkt to sign up for our Early Access Program pic.twitter.com/sZ3YlE0Sj9
— Adam White (@WhiteAdamL) March 16, 2020
スターバックスはBakktの初期立ち上げ時から連携しており、昨年2019年には支払い実証実験も行っていた。大手取引所グループICEが取り組む個人向けウォレットアプリは、スターバックスコーヒーの実用例から徐々に個人へ普及するかもしれない。