米仮想通貨取引所ジェミナイ(Gemini)が犯罪対策を強化|元モルガン・スタンレーの専門家が加入

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米仮想通貨取引所ジェミナイ(Gemini)が犯罪対策を強化|元モルガン・スタンレーの専門家が加入

ウィンクルボス(Winklevoss)兄弟が運営する米仮想通貨取引所のジェミナイ(Gemini)は、モルガン・スタンレーの金融犯罪部門を率いていたノア・パールマン(Noah Perlman)氏をジェミナイのコンプライアンス部門の最高責任者(Chief Compliance Officer/CCO)として迎えたことを発表した。

ノア・パールマン氏は金融犯罪の世界的な専門家で、金融大手のモルガン・スタンレーでは350人以上の金融犯罪部門を率いていた。特に企業のマネーロンダリング、汚職活動などを監視しており、政治活動分野においても法令順守の監視を行っていたと紹介している。またモルガン・スタンレーの前職では米国薬物取締局(DEA)ニューヨーク課専属の弁護士を務めていたことも紹介されている。

法令順守を最重要事項に置くジェミナイ

ジェミナイを運用するウィンクルボス兄弟は、2014年に仮想通貨取引所の準備が整いつつあったが、ニューヨーク州財務サービス局(NYDFS)からの認可が下りる2015年10月までサービス提供を待機していた経緯があった。

また今年1月にニューヨークで展開した大規模な広告攻勢でも、メッセージとして伝えられたのは「The crypto revolution needs rules」(仮想通貨革命にはルールが必要)であり、コンプライアンス重視の運営方針で知られている。

仮想通貨業界で高まる犯罪対策

つい昨日にも仮想通貨事業を多く手掛けるSBIホールディングスが犯罪対策ソリューションを開発する企業に出資するニュースが届けられたばかりだった。また、仮想通貨業界ではこれまで本人確認が必要なかったサービスで本人確認が行われたり、より厳格な本人確認作業が加わったサービスもある。

これらは、国際機関である金融活動作業部会(FATF)のガイドラインが発せられたことにきっかけに、仮想通貨業界に犯罪対策の重要性が広がりつつある背景がある。

個人投資家はもちろん、カストディ部門も抱え機関投資家向けサービスも充実するジェミナイ取引所。これまで以上に犯罪対策を施され、万全の体制で取引所のシェア争いを戦うことが予想されている。

ジェミナイ(GEMINI)とは
ジェミナイ取引所のウィンクルボス兄弟は、フェイスブック創業のきっかけを作ったとされ、そのドラマを描いた映画「The Social Network」にてその名が大きく知れ渡った。
若いころはボートのオリンピック選手としても活躍したが、その後ビットコインに投資し2015年からは仮想通貨取引所を開設した。仮想通貨の関連事業を多く手掛けビットコインETF承認にも尽力しており、承認へのチャンスを伺っている。

その他、ステーブルコインGeminiドルの発行や、政府認可カストディアンとしてもサービス展開しており仮想通貨業界での存在感は増すばかりである。

参考:Gemini Welcomes Noah Perlman as Chief Compliance Officer