ICOに係る検討事項、規制はどういった枠組みで掛けるべきか?「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第8回)

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ICOに係る検討事項、規制はどういった枠組みで掛けるべきか?「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第8回)

11月1日、仮想通貨交換業等の研究会(第8回)が金融庁、中央合同庁舎第7号館 13階にて開催されました。

今回の研究会では、「ICOに係る論点」としてICOの現状を踏まえ、ICOについての主な検討対象事項として「1事務取扱者・販売者、2流通の場の提供者、3事業・財務状況の精査、スクリーニング、4発行価格の設定、5発行開示等、6流通の場を通じた規律、不公正取引規制、7継続開示等」が説明され、「既存の資金調達手段に対する規律と、投資性を持つICOに係る検討事項」として金融庁より比較が出されました。

既存の資金調達手段において求められる規律 既存の資金調達手段に対する規律と、投資性を持つICOに係る検討事項

その中で、ICOとは何なのか?なぜICOをするのか?を明確に捉える必要があるという意見も出つつ、ICOを規制の対象として捉えたとき、ICOの類型、規制する制度として適切な制度は何か?金融なのか消費案件なのかの意見交換がされました。

・投資型CF(クラウドファンディング)が似ている。ただCFは流通性がないが、ICOのトークンには流通性が生まれてしまっている。
・ユーティリティートークンも流通性があるのなら、集団投資スキームへ格上げを考える
・ユーティリティートークンなのか、アセットトークンなのか。おそらく支援者側は判断も難しい事例もある。規制する制度を分ける必要があるのか。
・どの制度に当てはまるかではなく、ユーティリティトークンの実態、ICOの個々の具体的なケースを掘り下げる必要があるのではないか。ICOによる資金調達額上位で日本ではCOMSAのみがあるが、COMSAの集めた100億がどこにいったのか
・トークンの価値を裏付けるものは何なのか、はっきりしていないのは問題がある。マイニングなどの不透明なものにはどうなのか
・横の広がりに合わせて各適切な制度を当てはめるか、縦割りで新たに制度化するのか
・縦で考えたとして新しいルールを作成するのは大変
・投資型CFは50万という上限があるが、同じく一定の上限を設けるべきではないか
・例として投資型CFと似ているが、そこに流通性が発生したケースとして既存の制度をアップデートで対応が望ましいのではないか
・アセットトークンについては、集団投資スキームの適用をすべきだが何らかのアップデートはいる
・ICOにはセールタイミングでディスカウントが行われているが、不公平性があるのではないか
・国際的な協調が必要、一国のレギュレーションで対応していくのは難しい

多くのメンバーの共通見解として
・金融にしろ消費者庁管轄になるにしろ、被害の実態がある以上放置はできない
・発行者、事業・財務状況のスクリーニング、継続開示等について継続的なモニタリングの仕組みを定め開示や登録の制度化は必須
・クーリングオフのような、取り消しを行える仕組みが必要ではないか?
・投資型CF集団、集団投資スキームとの類似性から、アセットトークンは金商法の適用が考えられる

などが上がりました。

また、スタートアップとしてのICOへの意見として、

スタートアップを封じ込めてしまうのは、国際的にも日本は消極的でスタートアップが少ない事に対するアプローチになるか将来を見越す必要がある。イノベーションの土壌として、スタートアップが現存する資金調達手法ではハードルが高すぎて難しい現状があるのではないか?といった現状を検討する必要性もあるのではないか?という意見も述べられました。

ただし現状、実施されたICOの8割が詐欺とする情報にも触れ、ICOの発行元は資金調達さえできればいい、支援者側は儲かればいいという、投機的な悪い側面ばかりが目立ち、リテラシーの低いモラルハザードを起こすようなものを、そもそも支援する必要があるのか?本当に必要とする人たちへのスタートアップ手段になっているのか?という厳しい意見も複数出され、多くの参加者がうなずくシーンも見られました。

今回、ICOについて既存の規律と照らし合わせた意見交換がされ、規律をどのようにICOに対して行うかの情報が出されました。10月24日には金融庁認定の自主規制団体として日本仮想通貨交換業協会が正式発足、同協会はICOへの自主規制に関する検討も公表しており、マネーロンダリング対策と消費者保護に向けたICOの適切な制度化の討議が進んでいます。

仮想通貨の利用方法は拡大をし続けており、また仮想通貨に限らず、テクノロジーの発展により金融および消費のグローバルな市場側面は法整備だけでは追いつけていない実情があります。行政と事業者がどのような制度化を整備していくのか注目されます。

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