米国ボストンに拠点を置く資産運用会社大手のフィデリティインベストメント(Fidelity Investments)が、機関投資家を対象とする調査報告書を発表した。
この調査は、年金基金や裕福な個人投資家、仮想通貨ファンド、既存のヘッジファンド、金融アドバイザーなど米国内の441箇所の機関投資家を対象に行われ、約22%がすでにデジタル資産を保有していることが明らかになった。また、40%が今後5年間にデジタル資産へ投資すると回答していることもわかった。
調査結果の主なポイントは以下のようになっている。
・機関投資家の22%がすでにデジタル資産を保有し、過去3年以内に取得した。
・機関投資家の10人中4名が今後5年間でデジタル資産へ投資すると回答
・デジタル資産の保有方法について
デジタル資産を含む金融商品を購入 72%
仮想通貨を直接購入 57%
デジタル資産を保有する企業関連の金融商品 57%
・機関投資家はデジタル資産に好意的で10人中7名近くがその魅力的な特徴を把握
・回答者の47%が革新的な技術であることを認識
・回答者の46%がデジタル資産と他の資産との相関性が低いと認識
・デジタル資産への弊害
価格の不安定さ
規制が不透明
実績が少なく限られている
ファンダメンタルズの欠如
今回発表された調査報告書の中でフィデリティインベストメント(Fidelity Investments)のデジタル資産専門、フィデリティデジタルアセット(Fidelity Digital Assets)を率いるTom Jessop氏は以下のように述べている。
Tom Jessop氏
私たちは、暗号資産ヘッジファンドのような初期のものから、個人投資家や伝統的な機関投資家まで、デジタル資産への関心が高まってくるのを目の当たりにしてきました。金融市場におけるブロックチェーン技術の存在感が増すにつれて、より多くの機関投資家がデジタル資産に向き合っています。例えば調査対象者の最大の関心事だった価格のボラティリティについてですが、カストディ業務の広がりや、取引や資金調達のインフラ整備によって、伝統的な金融市場の機能を持つようになっていることから、ボラティリティが弱まる可能性があります。
さらにこの分野への投資は堅調なペースで増加し、証券型トークンも増え続けています。世界的な規制は慎重なままですが、デジタル資産が成長している兆候としてビットコイン自体の取引量が高くなっていることがあります。機関投資家も12ヵ月前、そして6ヶ月前と比べて現在の取引量を把握しており、前向きな兆候であると認識しています。