主要な電子地域通貨(地域コイン)6選

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主要な電子地域通貨(地域コイン)6選

電子地域通貨は、特定の地域などで法定通貨と同様に利用することができる「デジタル通貨」です。

専用アプリで簡単にチャージ&利用ができ、キャッシュレス決済のため利用者の利便性が向上します。そのため、日本円に不慣れな訪日外国人観光客向けの決済手段としても効果を発揮します。

また、GPSなどを使って地域コインを利用できる店舗へ誘導できれば集客効率が上がり、地域経済活性化につなげることができます。

さらに、利用特典としてポイントを付与することでお店への再訪問を促したり、ボランティア活動の報酬としてポイントを付与することで人と人とのコミュニケーション作りにも利用できます。

実際にどのような地域コインがあるのかを見てみましょう。

1.さるぼぼコイン

地域コインといえば、岐阜県の高山市・飛騨市・白川村の地域限定で使える「さるぼぼコイン」です。

「さるぼぼコイン」は、飛騨信用組合が発行する「地域コイン」で、現金などをチャージしてQRコードを使って決済します。

アプリの使い方などを丁寧に説明したことで高齢者の利用者が増え、50~60代の女性の利用率が高いと言われています。

チャージすると1,000円につき10ポイントが付き、この特典も魅力の一つとなっています。

地域コインを発行するプラットフォームには、株式会社フィノバレーの「MoneyEasy」が使われています。

参考:さるぼぼコイン(飛騨信用組合)

2.アクアコイン

「アクアコイン」は、木更津市内限定で使える電子地域通貨です。

「さるぼぼコイン」と同じ「MoneyEasy」をプラットフォームとして採用しています。

決済手段として利用するだけでなく、お祭り、フェス、清掃活動などで「らづポイント」を配布しており、集客や人と人とのつながりをつくるのにも利用されています。

また、2019年10月から行われているキャッシュレス・消費者還元にも対応しています。

参考:アクアコイン

3.シモキタコイン

「シモキタコイン」はその名の通り、下北沢で使える電子地域通貨です。

チャージできるお店で現金をチャージしてもらい、QRコードを使って決済します。チャージで1%、支払いで1%のポイントが付き、1ポイント1円として利用できます。

アクアコイン同様、キャッシュレス・消費者還元に対応しています。

参考:シモキタコイン

4.近鉄しまかぜコイン

「近鉄しまかぜコイン」は、伊勢・鳥羽・志摩限定で使える電子地域通貨です。

近鉄グループホールディングス株式会社と株式会社三菱総合研究所が「近鉄ハルカスコイン」で過去2回実証実験を行い、その成果に基づいて実用化されました。

プラットフォームにはブロックチェーン技術が使われています。

2019年11月11日(月)~2020年1月31日(金)の利用期限つきですが、チャージ金額に10%のプレミアムつきで発行しています(記事執筆時)。

参考:近鉄しまかぜコイン

5.NISEKO Pay

コインという名称ではありませんが、NISEKO Pay(ニセコペイ)も地域コインと言えます。倶知安・ひらふエリアで利用することができます。

SBIホールディングスの「Sコインプラットフォーム」を利用しています。主にクレジットカードを使ってチャージを行い、QRコードで決済ができます。

2018年11月23日に実証実験が開始され、2019年11月23日には実証実験の範囲を拡大しています。

参考:NISEKO Pay(ニセコペイ)

6.だっちゃコイン

「だっちゃコイン」は、佐渡島内で利用できる地域コインです。

2019年12月1日から試験運用が行われおり、本格始動は2020年3月からを予定しています。

プラットフォームには、株式会社ポケットチェンジの「ポケペイ」が使われています。宮城県塩竈市の「竈コイン」にも利用されているプラットフォームです。

日本人観光客だけでなく、台湾をはじめ海外からの個人観光客にも利用してもらえるキャンペーンやサービスなどを検討しているとのこと。

参考:だっちゃコイン

「地域コイン」は効果があるのか

2019年4月に株式会社三菱総合研究所が、大阪市上本町、浜松市、福山市の3地域で「地域コイン(電子地域通貨)」による地域商品券事業への適用可能性と効果を検証しています。

実証実験では、主に下記のような結果を得ることができています。

・減価は消費を促進する効果があり、減価しないグループに比べて3割程度消費を押し上げる。
・政令指定都市規模の自治体では、事務コストを半分程度に低減できる可能性がある。
・域内のどこでも使えるようになった場合、参加者の6割以上が「普段の買い物の50%以上を地域コインに置き換える」と回答。
参考:株式会社三菱総合研究所

この結果から、地域コインは未知数の部分はあるものの、ある程度の効果が見込めるということが分かります。今後については、実験結果を踏まえて、地域コインが発行主体に戻ってくるのではなく、循環流通する地域経済モデルについて検討していくとのことです。