中国のデジタル通貨発行についての可能性に言及|中国国際経済交流センターの黄奇帆氏の発言要点

元重慶市長で現在、中国国際経済交流センターの副理事長を務めている黄奇帆氏が、中国で準備が進められているデジタル通貨(DCEP/Digital Currency Electric Payments)の発行について詳細な講演を行った。講演は28日に上海で行われている金融サミット2019にて行われた。

講演では、中国の中央銀行である中国人民銀行が発行するブロックチェーン技術を使ったデジタル通貨について、構造などを詳細に説明した。その上で、研究は5年から6年におよび成熟しており、世界で初めてデジタル通貨を発行する可能性があると発表した。

また、もし発行されれば流通が促進され、人民元のグローバル化に有効であるとした。以下に講演内容の要点を紹介する。

ブロックチェーン技術は経済システムを大幅に向上

ビッグデータ、クラウドシステム、人口知能やブロックチェーン技術、これらの最新技術は相互作用しながら社会を構築しており、ブロックチェーン技術は情報伝達や堅牢性、柔軟性など技術の基本レベルを大幅に向上させる。

世界的な個人的支払い手段

現在でも、AlipayとWeChatPayは世界をリードするデジタル支払い手段だが、ブロックチェーン技術の浸透により国境を超えた個人間の送金技術も進化している。

これまでの国際送金は多くの中継点が必要で非効率だったが、ブロックチェーン技術は決済や商業銀行のインターフェイスとして利用できる。国境を超えた送金は処理効率の向上が実現する。

SWIFTやCHIPSシステムは時代遅れで、米国の覇権行使ツールに

70年代から運用されている国際金融ネットワークのSWIFTやCHIPSシステムは、世界の銀行を結びつける大きな役割を果たしたが、現在は時代遅れになりつつある。またこれらのネットワークは米国が世界的に覇権を行使するツールになっている。

SWIFTおよびCHIPSシステムに将来性はなく、ビッグデータとブロックチェーン技術を使った新たな国際決済ネットワークの構築は、各国の共通認識となっている。

80年代からお金のデジタル化が発展しクレジットカードや携帯電話での決済などが発展してきたが、今日ではビットコインやフェイスブックのリブラ、そして中央銀行が発行するデジタル通貨の時代が到来している。

米ドルがもし信用を失えば世界的金融危機

米ドルは70年代から強力な軍事力と経済力で事実上の世界通貨となっているが、世界の中央銀行の総資産は70年代の1,000億ドルから21兆ドルに膨らんでいる。特に米国はここ10年で金融危機を乗り越えるため、債務残高が9兆米ドルから22兆米ドルに増えており、もし信用を失えば新たな世界的な金融危機は避けられない。

また、こういった問題に直面しているにも関わらず、各国にていい解決方法を見出せていない。一部の専門家は金本位制への回帰を唱えるがこれも現実的ではないだろう。

リブラが成功するとは思わない

ビットコインや、一部の企業はリブラを発行してソブリン通貨に挑戦しようとしているが、これらは国家の信用からは切り離されており、発行が保証されず安定化することは困難だ。リブラが成功するとは思えない。

主権デジタル通貨を発行するのが良い

主権国家にとっての最良の方法は、政府と中央銀行が主権デジタル通貨を発行することだ。

デジタル通貨(DCEP)の構造

中国の中央銀行が立ち上げるデジタル通貨(DCEP)は、ブロックチェーン技術に基づいた新しい暗号化電子マネーシステム。

2層のオペレーティングシステムを採用しており、まず銀行への発行、そして一般国民へ流通が想定されている。重要な点は既存の通貨のデジタル化ではないことで、これにより人民元の流通と国際化が促進される。

デジタル通貨を導入する世界初となる可能性

中国人民銀行は5年、6年の間DCEPを研究しており、成熟している。中国人民銀行はデジタル通貨を導入する世界初の中央銀行となる可能性がある。

5G時代はすべてのものがインターネットにつながり、特に金融技術の発展は重要となる。新しい金融システムは経済と社会全体の発展をもたらす。

参考:新浪財経

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