仮想通貨決済は、普及するのか?

  • 公開日:
  • 更新日:
  • ICHI

昨年12月、ブラジルのリオデジャネイロにあるスーパーマーケットチェーン店のOásis Supermercadosが、ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)での決済を開始したと発表しました。

店が仮想通貨での支払いを導入する場合、気になるのが「ボラティリティ」です。
決済金額をビットコインなどの仮想通貨で受け取っても、価格が暴落してしまうと店は損をしてしまいます。

今回、仮想通貨決済で導入したCoinWISEのシステムでは、仮想通貨を受け取り、それを法定通貨に変換し、3日後に店に送ります。店は法定通貨で受け取るので、ボラティリティや損失を気にする必要がなくなります。

支払い方法も簡単で、顧客が決済に仮想通貨を選ぶと、オペレーターが金額をQRコードに変換し、それを読み込めば支払いが完了します。店も顧客も、win-winの関係を作れるのであれば、仮想通貨による決済は増えていきそうです。

しかし、上記のスーパーマーケットでも「仮想通貨による決済はまだない」と報じられているように、実際に普及するためには、まだまだ課題がありそうです。

では、仮想通貨決済を普及させるための課題とはなんなのかを考えてみました。

課題の1つは、すでにクレジットカード、Suicaなどの電子マネーの競合が存在するため、決済が簡単というだけの参入は難しく、仮想通貨決済ならではの付加価値が必要になってきます。

仮想通貨決済の付加価値を提供できるのは、越境でのやり取りが発生する場合です。
日本国内だけであれば、利用する機会は少ないかもしれませんが、通貨が違う場合は、共通の価値を持つ仮想通貨決済が有利になる可能性があります。

海外でもクレジットカードが利用できますが、店側は決済時の手数料負担というデメリットがあります。業種により、1%~5%程度の手数料を負担しているため、クレジット決済よりも安い手数料で提供できれば、これも仮想通貨決済のメリットになります。

そして、最大の課題は、やはり仮想通貨決済の利用者を増やすことです。

取引プラットフォームのeToro(イートロ)が行った調査によると、仮想通貨に投資していないオンライン投資家の参入障壁となっている主な理由は「詐欺の恐れ」「価格の変動」「教育や知識不足」だと報告しています。また、去年の流行語大賞にノミネートされた「仮想通貨/ダークウェブ」から、投資家だけでなく、一般の人もネガティブイメージを持っていると考えられます。

これらのネガティブイメージを払しょくして、一般の人に受け入れてもらうには、それぞれの問題を1つ1つ解決していくしかありません。

  • 【1】法律や条例の制定
    ハッキング被害、ICO詐欺、仮想通貨投資詐欺など、規制が十分でないために発生しました。金融庁などの公的機関に、必要な法律や条例を制定してもらい、不安要素を取り除く必要があります。
  • 【2】大口の参入
    市場操作は、小規模な市場において発生しやすくなります。株式市場でも、全くないとは言えませんが、機関投資家など大口が参入することで、価格操作が難しくなり、発生しにくくなると言われています。
  • 【3】教育
    仮想通貨自体は、危険なものではありませんが、それを取り巻く環境には危険があります。ハッキング、マルウェア、詐欺に加え、ボラティリティの高さもあります。危険を知って、どう回避するかを学ぶことが、仮想通貨利用への第一歩になります。

同じくeToro(イートロ)の調査で、ミレニアル世代がファイナンシャルアドバイザーのアドバイスを受けた場合、73%が仮想通貨に投資する可能性が高くなる(ジェネレーションXは58%、ブーマーは49%)と報告しており、若い世代への教育も普及への鍵となりそうです。

ミレニアル世代:1980年前後から2005年ごろに生まれた世代
ジェネレーションX:1960年代初頭または半ばから1970年代に生まれた世代
ブーマー:1946年から1964年頃までに生まれた世代

2020年には、東京オリンピックも控えており、上記の問題解決に加え、仮想通貨決済システム導入が並行して進めば、仮想通貨決済は大きく普及するかもしれません。

参考:CISION

Close Menu