2019年内の日本での開業を目指すCoinbase(コインベース)とその影響

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coinbase(コインベース)その影響

北米最大の仮想通貨取引所「Coinbase」が2019年に日本での開業を目指す動きが継続している事に注目が集まっている。

Coinbaseは2018年6月に日本法人の設立を公表し三菱UFJとの提携による2019年後半での開業を目指すとしていた。その後、金融庁による交換業登録審査が停滞したことで続報が途絶えていたが、先日、副社長へのインタビューの中で、今も2019年後半の開業を目指している動きは継続しており金融庁と調整と日本向けサービス提供のためUXの向上を図り続けている事が明らかになっている。

金融庁が公表した6カ月が目途とされる審査が順調に進むと仮定するならば、7月~9月あたりまでには何らかの公表・アクションが予想され期待が寄せられる。

Coinbase(コインベース)とは?その事業、売り上げ推移を整理する

本拠地:
カリフォルニア州サンフランシスコ

創立:
 2012年6月
2012年6月、Brian ArmstrongとFred Ehrsamがカリフォルニア州サンフランシスコにてコインベース設立。同年、Yコンビネータのスタートアップ・インキュベータ・プログラムに参加。10月にビットコイン取引を開始。

従業員数:
 500人以上

売上高:※ドル円レートは年平均換算
 2016年:$1700万(18億円)
 2017年:$9億2300万(1015億円)
 2018年:$12億9000万(1419億円)

純利益:
 2016年:△$1600万(△17億円)(純損失)
 2017年:$3億8000万(418憶円)
 2018年:$4億5600万(501億円)

主要株主:総調達金額$546.6M(約600億円)
Coinbase(コインベース)資金調達先

資金調達履歴:
・シード/2012年8月
 Y Combinator

・シリーズA/2013年7月/$6.1M
 Union Square Ventures
 SV Angel
 Red Swan Ventures
 Interplay Ventures
 FundersClub
 Digital Currency Group

・シリーズB/2013年12月/$25M
 Andreessen Horowitz
 Union Square Ventures
 Daniel Gross

・シリーズC/2015年1月/$75M
 Blockchain Capital
 Andreessen Horowitz
 Union Square Ventures
 New York Stock Exchange (NYSE):ニューヨーク証券取引所

・ベンチャーラウンド/2016年7月/$10.5M
 MUFG(三菱UFJ銀行、三菱UFJキャピタル)、SOZO Ventures

・シリーズD/2017年8月/$108.1M/評価$1.6B(1700億円)
 IVP (Institutional Venture Partners)
 Draper Associates
 Tusk Ventures

・シリーズE/2018年10月/$300M/評価$8.0B(8800億円)
 Tiger Global Management
 Y Combinator
 Andreessen Horowitz
 Polychain
 Wellington Management

・シリーズF/2018年12月/$21.3M
 

利用ユーザー数:
 2000万人以上

サービス提供国:
 42ヵ国、9言語

コインベース累計仮想通貨取引額:
 $150B(17兆円)

企業評価額:
 2018年10月のシリーズEでの評価額は$80億(8800億円)

事業展開:
北米を始めヨーロッパなど先進国を中心に世界中32ヶ国でそのサービス提供を展開している。現在は、ラテンアメリカ、アフリカ、東南アジアなどの金融送金網が未発達の地域に着目し、新興国市場への展開に注力をしている。
積極的に、仮想通貨関連企業への投資・買収もしており、投資額上位VCと並んでFunding規模が大きい。

展開するプロダクト/サービス:
・Asset Management
コインベースが選ぶ、主要通貨をパッケージしたインデックスファンド。

・Consumer
通常の仮想通貨販売/取引所

・Prime
上級者投資家向けツールサービス。

・Pro
機関投資家向け取引ツールサービス。

・Custody
機関投資家向け保管(カストディ)サービス。

・Commerce
支払い決済サービス。利用側はビットコインで支払い、店舗側はUSDで受け取れるなどのEコマースサービス。

・Earn
暗号通貨を学びながら獲得できるSNSのような教育コンテンツサービス。Zcash(ZEC)/0x(ZRX)/Brave(BAT)が現在入手できる。

・Paradex
DEX、0xリレイヤーとしても非常に有名。Coinbaseと0xプロジェクトとの関連性は非常に高い。

・USD Coin
ERC20規格トークンのオープンソースとして開発されたドルにペッグされたステーブルコイン。コンソーシアムとしてUSDCの発行管理を行うCENTREは、Coinbaseと仮想通貨金融業者のCircleが共同設立している。

・Wallet
ウォレットサービス。以前のToshi/Dappsブラウザが名称変更しCoinbase Walletとして統合。BTC、BCH、ETH、ETC、LTC、ERC-20トークン、ERC721トークンを管理できる。

Coinbase(コインベース)の日本開業による影響は?

Coinbaseが日本で仮想通貨取引所の営業を開始する影響は、実のところ、本国サービスをそのまま持ち込めるようなことでもない限り、さほどの売り上げインパクトはありません。既に一般取引市場への期待は折り込み済みで進み、市場インパクトとしては規制の範囲内でのユーザーの行動が限定的に起きるに留まると予想されます。何より手数料の面でCoinbaseは別段安いというわけでもないため、日本での新規口座開設が進んだとしても手数料価格に見るべき点が無ければすぐユーザーが大量にCoinbaseで取引を行うとは思えません。

もしインパクトを創出するとすれば、米国Coinbaseと日本Coibaseの取引垣根がないなどですが、これはKYCへの対処の問題から、やはり現実的とは言えないでしょう。

では、Coinbaseの影響とは何か?現状、日本での取引所サービスのみでの営業は収益性の面で厳しいと言わざるを得ないので、カストディ他、周辺事業の迅速な展開が求められることは必至であると想像に難くありません。
そのためCoinbaseが日本で営業を開始する最大の影響は、カストディやステーブルコインなどの機関投資家向けサービスを始めようとする動きに火が付き、金融庁および政府関係の対話が進む可能性への影響の方が期待されます。

現状、日本の規制議論は「仮想通貨交換業等に関する研究会」による昨年12月の報告書の提出で停まっており、機関投資家を呼び込むためのカストディ業務に関しても、多岐にわたるカストディ業務の細分化した規制について議論が進んでいません。

日本としては2019年のG20大阪議長国として、6月の提言を見越している節があり、ならば提言後の夏から秋にかけて話が動く算段としている可能性が高いと予測できますが、そこにCoinbaseの事業活動が影響力として絡んでくることを日本の仮想通貨市場としては歓迎と期待を寄せる動きが考えられます。

昨今、日本の競争力と存在感の低下の危機が叫ばれており、市場の期待に対し日本政府が魅力的な行動をとることができない状態が続けば、その危機に拍車を掛けかねません。

Coinbase(コインベース)の年内営業開始は現実的か?

2019年後半、年内の営業開始を目指しています。ではそれは現実的なのでしょうか?
金融庁は、審査期間についておおよそ半年という見解を公表しています。Coinbaseが日本向けローカライズを実施しているとして、早くても秋口以降と予想されますが、Coinbaseの副社長の発言から、Coinbase側は十分に現実的と考えていると捉えられます。

しかし気を付けたいのは、未だ審査に向けた裏の調整以外の実際の動きが見えてこない点です。6月が節目であると見た場合、ギリギリなタイミングでの動きとなる可能性には注意が必要かもしれません。

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