コインベースカストディがTezos(XTZ)、Maker(MKR)に正式対応し顧客に報酬分配へ

米仮想通貨取引所で最大手のコインベース(Coinbase)がカストディ(資産保管)サービス上でTezos(XTZ)を正式対応したことを公式発表した。

機関投資家などに向けたコインベースのカストディ業務は昨年から開始され、現在60以上の顧客を抱え、6億ドル(約660億円)にも上る資産を管理するコインベース事業の柱の一つだ。

カストディ対応している仮想通貨は、昨年約30種類ほどが発表されておりTezosも含まれていた。また今後数週間以内にステーブルコインDAIを発行するMaker(MKR)にも正式対応することが合わせて発表された。以下のリストに新たにMaker(MKR)が加わることになる。

コインベース公式発表より

 

注目はTezos保有者に対し報酬分配する機能

今回Tezosの正式対応で注目したいのは、プルーフオブステークの仕組みに対応しTezos保有者に対して報酬を分配する点にある。

Tezosはイーサリアムと比較されることも多いDappsにも対応するプラットフォームで、コンセンサスアルゴリズムにDPoS(Delegated Proof of Stake)を採用し、スマートコントラクトも実装できるプロジェクトだ。TezosのDPoS(Delegated Proof of Stake)を用いたブロック承認作業では、Tezos(XTZ)を多く保有(ステーク)したノードがブロックを承認する作業が割り当てられ、その承認作業に対して報酬が得られる仕組みになっている。

今回発表されたコインベースカストディでは、純粋なTezos(XTZ)保管業務に加え、トランザクションの承認作業に参加し、その報酬をコインベースカストディとして受け取り、Tezos(XTZ)保有者へ分配される。もともとTezosネットワークの設計にはTezos(XTZ)保有者が、ブロック承認者へ保有権利を委任する機能が備わっており、機関投資家の資産はコールドストレージに安全に保管したまま、その委任機能を使ってコインベースカストディがノード参加を行う方式を取る。

これまで機関投資家によっては、資産を持っていてもノード参加するまでに一定のハードルがあったため、プルーフオブステークを採用する仮想通貨の保有を断念していたケースも多いと今回の発表で指摘している。

Tezos共同創業者Kathleen Breitman
コインベースカストディでのTezosの正式対応は、これまでの顧客の懸念を払しょくするものです。私たちのような資産管理会社に頼ることで、機関投資家も安心して積極的にネットワークに参加するでしょう。

確立されたデジタル資産を作るという私たちの使命は、すべての人の参加しなければ意味がありません。それはコインベースカストディがもたらした機関投資家も含んでいます。

Maker(MKR)対応に向けて

またコインベースカストディではTezosに続き、MakerDAOチームと直接協力し管理業務に加えてMakerDAO上で行われる投票機能に参加できないか、検討作業を続けていると発表した。

これもMaker(MKR)を保有(ステーク)している人に与えられる投票機能を、コインベースカストディを利用しながら投資家に提供しようとするものだ。MakerDAOの創設者Rune Christensenは以下のように述べている。

MakerDAO CEO、Rune Christensen
良くできた分散型の仕組みは、Makerプロジェクトが成功するためのファンダメンタルです。
機関投資家が資産を預けたまま自身が保有しているMKRへ投票出来るコインベースのシステムは、不可欠なサービス提供です。

プルーフオブステークとカストディ

純粋なカストディ業務とは、仮想通貨の保管にまつわる様々なリスクから資産を守り必要に応じて入出金する業務のことを指す。しかし仮想通貨のプルーフオブステークの採用により、保管のみならずノード参加やブロック承認を行うことによる報酬受け取りへの需要も高まっていることが伺える。主要通貨であるイーサリアムもプルーフオブワークからプルーフオブステークへ移行を目指しており、カストディ業務にはプルーフオブステークに関する業務が欠かせなくなっていくだろう。

日本では今後カストディ業務だけを専門に行う業者の規制がはっきり決まる予定だが、決まったころには市場ニーズが変わっている可能性もありそうだ。

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