中部電力がブロックチェーンを活用した電力の個人間取引に関する実証実験を開始

中部電力 CEL

愛知県や長野県といった中部地方を主な営業地域にし、2011年~2014年に4連覇したカーリング部を擁する中部電力。
その中部電力が福岡を拠点にしているスタートアップ企業「Cryptoeconomics Lab」(CEL)と共に、ブロックチェーンを活用して個人間で電力を取引する実証実験を開始したと発表しました。

中部電力プレスリリース:ブロックチェーンを活用した個人間電力取引に関する実証実験の開始について
中部電力プレスリリース:ブロックチェーンを活用した個人間電力取引に関する実証実験の開始について

発表によると、「Energy Web Foundation」(EWF)のブロックチェーンを活用して中部電力とCELとで共同開発した取引プラットフォーム上で、電力の売り手と買い手を結び付け、スマートコントラクトによる適正な取引が自動で実行されるかを5月30日から10月30日にかけて検証する、としています。

実証実験システム概要図
実証実験システム概要図(中部電力発表資料より)

Cryptoeconomics Labとは?

イーサリアムブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決する「Plasma Chamber」を開発し、「福岡ブロックチェーンコンソーシアム」発起人の一社でもあるスタートアップ企業です。

Cryptoeconomics Lab公式サイト
Cryptoeconomics Lab公式サイト

Energy Web Foundationとは?

アメリカのエネルギー研究機関「Rocky Mountain Institute」(RMI)と、イーサリアムの専門家が主要メンバーにいるオーストリアのブロックチェーンスタートアップ「Grid Singularity」(GSy)が中心となって、2017年2月にウィーンで行われた国際会議で結成された非営利の国際エネルギーコンソーシアムです。
ブロックチェーン技術のポテンシャルを活かして各種エネルギー問題に対処する事を目的に、メンバーにはフランスの「engie」、ドイツの「TWL」、オランダの「Shell」、英国の「Centrica」、アメリカの「GE」、そして日本の東京電力といった大手エネルギー関連企業が参加しています。
イーサリアムブロックチェーン上にオープンソースのP2Pプラットフォーム「TOBALABA」を構築し、その上でさまざまなオープンソースのアプリケーションが既に動き始めているとの事です。

Energy Web Foundation公式サイト
Energy Web Foundation公式サイト

今年11月から、2009年開始された余剰電力の「固定価格買取制度」(FIT)の買取期間が順次終了します。
この買取制度終了後の電力を見据えて今回の中部電力以外にも東京電力と関西電力中国電力、九州電力などが取引プラットフォームの開発を進めています。

ブロックチェーン技術は価値の移動という面で金融業界で採用が進んでいる中、電力業界の動きがブロックチェーンの金融以外での大規模な実用例となるか注目です。

[参考]
・中部電力 プレスリリース 2019年5月30日:ブロックチェーンを活用した個人間電力取引に関する実証実験の開始について
・中部電力:https://www.chuden.co.jp/
・Cryptoeconomics Lab:https://www.cryptoeconomicslab.com/
・Energy Web Foundation:https://energyweb.org/
・九州電力 プレスリリース 2018年8月29日:エネルギー関連のスタートアップ企業である「デジタルグリッド株式会社」に出資しました-将来の新たな事業やサービスの創出に向け技術的知見を獲得-

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