ビットコイン開発大手のブロックストリーム社がマイニングプール事業を発表
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世界有数のブロックチェーン開発企業のブロックストリーム(Blockstream)社は、マイニング事業とマイニングプールサービスを開始したことを公表した。
Today we're excited to reveal Blockstream Mining and Pool, providing enterprise-class mining equipment colocation in our US & Canada data centers, and the first-ever #BetterHash mining pool for a stronger, more decentralized #Bitcoin network. ?????? https://t.co/sMVTTJNNep pic.twitter.com/EeQwuqyrB9
— Blockstream (@Blockstream) August 8, 2019
ブロックストリーム社とは
ブロックストリーム社はアダム・バック氏が設立したブロックチェーン専門の開発企業である。アダム・バック氏はビットコインのコンセンサスアルゴリズムPoof of Workで採用されているHashcashを考案した人物で仮想通貨業界に大きな影響力を持っていることで知られている。ビットコインの生みの親サトシナカモトの論文でもアダム・バック氏とHashcashのことが記述されている。
こういった経緯から同社にはビットコイン自体の開発を支えるチーム「BitcoinCore」の主要開発者も多く所属し、ブロックチェーンに関する様々な技術を研究・開発している。
同社が行う事業は多岐に渡っており、取引所間の決済ネットワーク「Liquid」、ICEと組んで提供している「暗号通貨データ・フィード」、ビットコインウォレット「Blockstream Green」、衛星を使ったブロックチェーンネットワーク「Blockstream 衛星」などがあり、そのサービス一覧に今回マイニングサービスが加わった。
ビットコイン関連企業はネットワークを維持すべき
ビットコインマイニングの収益については、これまでも報じられてきたようにビットコイン価格に大きく影響し収益が安定せず、またASIC機器の専門性から個人はもちろん企業としても大きな参入障壁があった。しかしブロックストリーム社は今回の公式発表の中で
ビットコインに関与する企業はビットコインネットワークを維持するため、マイニングに参加する必要があると固く信じている
とビットコインに関係するならば、ネットワークに対する貢献度についても言及している。
フィデリティ・ラボやLinkedInのリード・ホフマン氏が共同でマイニング事業
マイニング事業の高度化により仮想通貨業界ではマイナーの大規模化、また集中化が度々問題視されてきた。ビットコインネットワークは分散されているようで、実は中国をはじめとする電気代の安い地域に集中している。また中小マイナーは淘汰され、大規模マイナーだけが事業を行っておりその点でも集中化が進んでいる。ブロックストリーム社ではこの問題を少しでも解消するため、2017年ごろからマイニングを開始しており、それ以降もマイニング部門を拡大し続けてきたという。
さらに、そのマイニング施設はあの大手金融フィデリティ(Fidelity)の研究部門フィデリティ・ラボや、LinkedInの共同創業者リード・ホフマン氏などにマイニングサービスを提供してきたと発表した。
ブロックストリームのマイニングサービス
今回のブロックストリームマイニングは参入障壁の高いマイニング事業への敷居を低くするため、高機能のマイニング機器の提供や、設置場所の提供、管理のサポートを行うマイニング総合サービスだ。マイニング自体をユーザー側がコントロールすることができ、ブロックストリームの専門知識のもと監視と制御が行える。また長年マイニングを行ってきた同社は、冷却技術や機器の長寿命化、迅速なインストール設定、ほこりのない設置空間など、マイニング最適化に多くのノウハウを持っている。
今回の発表ではまず企業向けにサービス展開を行うとしているが、今後個人向けのサービスも拡張していく予定とアナウンスしている。