国際決済銀行トップ、仮想通貨容認に方針を変更

BIS-bitcoin

各国の中央銀行および国際金融機関の決済を専門に扱う銀行であることから、銀行の中の銀行とも呼ばれている国際決済銀行(Bank for International Settlement:BIS)。
その現在のトップがこれまでの仮想通貨に関する方針を翻す発言を行ったと、Ethereum World Newsが報じています。

Ethereum World News June 6,2019:Bank of Banks Head, Agustin Carstens’ Speech on Crypto is Changing
Ethereum World News June 6,2019:Bank of Banks Head, Agustin Carstens’ Speech on Crypto is Changing

先月の22日から23日にかけてダラス連邦準備銀行がダラスにて「Technology-Enabled Disruption」カンファレンスを開催しました。
このカンファレンスはダラス、リッチモンド、アトランタの連邦準備銀行がエコノミスト、ビジネスリーダー、各国中央銀行、教育関係者らと共にビジネス、労働市場、教育、そして金融政策へのテクノロジーの影響に焦点あてた議論を行う会議です。

Federal Reserve Banks of Dallas:Technology-Enabled Disruption: Implications for Business, Labor Markets and Monetary Policy
Federal Reserve Banks of Dallas:Technology-Enabled Disruption: Implications for Business, Labor Markets and Monetary Policy

カンファレンス初日、国際決済銀行( Bank for International Settlement:BIS)のトップであるゼネラルマネージャーを現在務めているAgustin Carstens氏が出席しました。
そのカンファレンスでCarstens氏は

それら(デジタル資産(DAs))は代用現金としてではなく金融資産の一部として、価値を持っているかもしれません。

と、述べたとの事です。

向かって左側の人物がAgustin Carstens氏(Technology-Enabled Disruption公式動画より)
向かって左側の人物がAgustin Carstens氏(Technology-Enabled Disruption公式動画より)

BISやCarstens氏は以前から仮想通貨や中央銀行によって発行されるデジタル通貨に対して、その価値を全面的に否定し続けていました。
例えば2018年7月にBISのウェブサイト上で発表した声明では、氏は仮想通貨について以下のように述べています。

仮想通貨はバブル、ポンジスキーム、そしてインフラストラクチャーを稼働させるためのエルギー消費の大きさから環境災害とも言えます。
かの偉大な物理学者アイザック・ニュートンでさえ、錬金術で金を作る考えに取りつかれた時期がありました。
皆さんご存知の通り、彼は幾つもの分野で成功を収めましたが錬金術で金を作りだす事は出来ませんでした。
その後で彼はイギリスの造幣局長となりその知識を活かして貨幣の偽造を取り締まり、偽造者を刑務所に送りました。
つまり私から若い人達へのメッセージは「お金を作ろうとするのをやめなさい!」です。

BIS:My message to young people: stop trying to create money
BIS:My message to young people: stop trying to create money

今年3月にはアイルランド中央銀行によるデジタル通貨の発行について、以下のようにも述べています。

中央銀行が金融政策を実施することには大きな運用上の影響があり、金融システムの安定性にも影響があります。
ですから中央銀行が状況を無視して金融政策のスピードを上げるべきではありません。
デジタル通貨がリスクを冒すだけの価値があるとは思えません

BIS:The future of money and payments p10
BIS:The future of money and payments p10

またBISが仮想通貨について発表した今年3月の指針でも

仮想通貨取引プラットフォームと関連する新しい金融商品の成長は各国の銀行と国際金融の安定性への懸念を高め、銀行が直面するリスクを高める可能性があります

と警告していました。

BIS:Statement on crypto-assets
BIS:Statement on crypto-assets

このように否定一色だった氏が方針を変えた今回の発言は、氏の立場を考えると今後の国際金融の流れが大きく変わりつつある兆しのように思われます。
実際、BISの元事務総長Peter Dittus博士がマーシャル諸島共和国による国家仮想通貨発行計画のチーフエコノミストに就任し、国連でその仮想通貨について説明を行ったり、それまで仮想通貨を同じように否定していたJPモルガンが、その方針を180度変更するだけでなく自ら仮想通貨の発行に動くなど、国際金融の大手や著名人が一昔前では考えられない動きをみせています。

今後の氏とBISの発する情報は要注意です。

[参考]
・Ethereum World News June 6,2019:Bank of Banks Head, Agustin Carstens’ Speech on Crypto is Changing
・Federal Reserve Banks of Dallas:Technology-Enabled Disruption: Implications for Business, Labor Markets and Monetary Policy
・Bank for International Settlement:https://www.bis.org/
・BIS speech | 04 July 2018:“My message to young people: stop trying to create money”
・BIS speeches | 22 March 2019:The future of money and payments(PDF)
・モーニングスター 2019/03/26:BIS総支配人、中央銀行のデジタル通貨発行に「価値ない」
・BIS | Publications | Newsletters | 13 March 2019:Statement on crypto-assets

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