各国中央銀行と民間企業協力へ 国際決済銀行 BISイノベーションハブ設立

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スイスを拠点に各国中央銀行の決済を担う銀行であることから「中央銀行の銀行」とも呼ばれる国際決済銀行(BIS)。
そのBISで先月30日、年次総会が行われました。

BIS:89th Annual General Meeting
BIS:89th Annual General Meeting

これに先立ち6月23日には、年次総会で使われる資料の中からFaceBookなどの巨大IT企業(ビッグテック)による金融部門への進出に対する調査レポートが先行して公開されました。

BIS:Big tech in finance: opportunities and risks
BIS:Big tech in finance: opportunities and risks

今回、会議の席でビッグテックによる動きに対応するべく中央銀行間の連携促進と民間企業との協力を助ける、「BISイノベーションハブ」(イノベーションハブ)設立が新たに発表されました。

BIS:BIS to set up Innovation Hub for central banks
BIS:BIS to set up Innovation Hub for central banks

イノベーションハブは中央銀行業務に影響を与えるテクノロジの調査、世界金融システムの機能改善を目的とした技術開発、イノベーションに関する中央銀行の専門家ネットワークの中心的役割を果たします。
設立のスケジュールは、まずはじめにBISの既存施設を利用してスイス・バーゼルと香港に設立されます。
そしてシンガポール、更に南北アメリカとヨーロッパにまたがるハブセンターを追加で設置するとの事です。

今回のイノベーションハブ設立について、ドイツ連邦銀行総裁でBIS理事会会長でもあるJens Weidmann氏は次のように述べています。

IT革命は国境に囚われず、同時に複数の場所に波及します。BISイノベーションハブではテクノロジーの調査、BISの使命と一致する場合の開発サポート、および金融の安定性保護を目的とした各国の規制に遅れないようにすることを目的としています。
そしてその結果、各国中央銀行はいままで以上に協力してこれらテクノロジーに対応出来るようになるでしょう。

Jens Weidmann氏(ドイツ連保銀行より)
Jens Weidmann氏(ドイツ連保銀行より)

イングランド銀行総裁で経済諮問委員会委員長のMark Carney氏は次のように述べて、今回の決定を歓迎した。

技術、人口統計、環境の変化によって新たな経済が生まれつつあります。民間のビッグテックなどがこれらのイノベーションを推進している一方、グローバルな金融システムがハードとソフトの両面でイノベーションを支えれば世界経済の成長と回復力が高まります。
BISイノベーションハブは中央銀行間の連携を促進し、ひいては民間によるイノベーション実現の大きな助けとなるでしょう。

Mark Carney氏(Wikipediaより)
Mark Carney氏(Wikipediaより)

そしてBISゼネラルマネージャーのAgustin Carstens氏は次のように述べています。

BISの会員やそのスタッフがこの重要な任務に自信をもってあたったことで、各国中央銀行が直面しているイノベーションの課題を反映し、国際協力を通じて拡大・強化することができるイノベーションハブが比較的短期間で設立できました。一連のプロジェクトに対する作業について、今回の結果には満足しています。

Agustin Carstens氏(BISより)
Agustin Carstens氏(BISより)

[参考]
・BIS Press release | 30 June 2019:BIS to set up Innovation Hub for central banks
・BIS Annual General Meeting 30 June 2019:89th Annual General Meeting
・BIS:https://www.bis.org/

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