オーストラリア・コモンウェルス銀行が開発相殺権(バイオダイバーシティ・オフセット)流通のためバイオトークンの発行を計画

オーストラリア第二位の規模を持つコモンウェルス銀行が、土地開発などを行う際の自然環境へのマイナス影響の相殺権(バイオダイバーシティ・オフセット)流通のため、ブロックチェーン技術を使ったトークン発行(バイオ・トークン)を計画していると発表した。

バイオダイバーシティ・オフセットとは

バイオダイバーシティ・オフセット、生物多様性の相殺権は、二酸化炭素排出権(カーボン・オフセット)の自然環境版をイメージすると分かりやすい。

自然豊かな土地を企業などが開発する場合、そこに住む生物環境へのマイナス影響の権利を購入することで開発可能とする仕組みのこと。オーストラリアのシドニーがあるニューサウスウェールズ州では、地方を開発する場合などバイオダイバーシティ・オフセットの枠組みが2017年から正式に開始されており、自然環境の保全に力を入れている。

バイオ・トークンとは

カーボン・オフセット市場については権利をトークン化し流通させようという試みがいくつか進んでいるが、バイオダイバーシティ・オフセットについての市場は全く整備されてなく、その仲買人のルールさえ決まっていないのが現状となっている。

今回発表されたバイオ・トークンとは、バイオダイバーシティ・オフセットの流通市場を見据え、権利をトークン化し売買しやすくする試みだ。

このトークン化はブロックチェーン技術に明るいことで有名なオーストラリア政府系コモンウェルス銀行と、民間企業であるバイオダイバーシティソリューションオーストラリア(BioDiversity Solutions Australia)との提携により開発される。将来はオーストラリアの生物多様性オフセットスキームに沿ったバイオトークンを取引可能にする市場創出を目指している。

今回のプレスリリースの中でバイオダイバーシティソリューションオーストラリアのRod Barnaby氏は関係者と協議する中でバイオトークン市場の概念を思いついたと発表した。

バイオダイバーシティソリューションオーストラリア、Rod Barnaby氏
バイオトークン市場の開発は、オーストラリアの生物多様性オフセットスキームへの利害関係者の参加を支援するために取り組んでいるプロジェクトの一部です。 私たちのビジョンは、貴重な環境生態系の保護を促進するとともに、土地所有者の代替収入源を作り、土地の生物多様性を保護することで報酬を与えることでした。

コモンウェルス銀行、Sophie Gilder氏
この革新的な取り組みは、アクセスしやすい透明性あるオンライン市場を作り、貴重な生物多様性の権利を管理し、転送可能なデジタルトークン「BioTokens」を使って取引を可能にします。複雑なルールをプログラムできるため、法令順守とその管理が自動化され、取引が透明性かつリアルタイムで把握でき、市場参加者はシンプルな取引体験を得ることができます。

コモンウェルス銀行とは
オーストラリアで100年以上の歴史を誇るコモンウェルス銀行は、1990年に民営化されるまで政府銀行として通貨発行などを行ってきた経緯を持つ。ブロックチェーン技術にも早くから注目しており、米国に拠点をもつ国際機関である世界銀行は、2018年からコモンウェルス銀行を選んでセキュリティトークンを発行していることでも知られている。

参考:BLOCKCHAIN ‘BIOTOKENS’ CREATE NEW MARKETPLACE FOR BIODIVERSITY INVESTMENT AND PROTECTION

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